季節の花(霜月)その壱

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 11月8日、暦の上では既に「立冬」を迎えたというのに気温はあともう少しで「夏日」に迫る23度を記録した。日本には「小春日和」なる洒落た言葉があるが、そう呼ぶには少々暑過ぎるような気もする一日だった。

 幾ら季節の変わり目とは言え、このような気温の乱高下に身体が付いて行く筈がない。尤も筆者はグレた不登校娘みたいな「何でも温暖化論者」では無いので、何事も甘んじて受け入れ、その原因を特定し断罪する心算は毛頭ない。

 因みに同じような気候をアメリカでは「インディアンサマー」と言うらしい。前回このブログで取り上げたコミック「ピーナッツ」の登場人物であるルーシーは、弟のライナスに「昔、悪いインディアンが白人を騙そうとして・・・」と知ったかぶりの説明をした事があったが、悪いのは先住民族から土地を奪った白人のような気もする。

 ともあれ「小春日和」も「インディアンサマー」にしてもイレギュラーな天候である事に変わりはなく、案の定一夜明けると最高気温は一気に18度迄下がってしまい、忍び寄る冬の気配をヒシヒシと感じさせる結果となった。

 それでも冬支度を前にして筆者の遊び場「川口グリーンセンター」の花達はまだまだ元気である。いつものように直近の様子をスライドショーに纏めてみた。マンネリ・ワンパターンは否めないが御覧頂ければ幸甚である。 (拙YouTubeのチャンネル登録して欲しいなどとはおこがましくてとても言えない (^_-)-☆)


季節の花 霜月(4K)/風のかたみの日記

 

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「ピーナッツ」70周年

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 最近の話題と言えばアメリカ大統領選挙を除き、何をおいてもアニメ映画「鬼滅の刃」に落ち着くだろう。老いも若きも、右も左も、青も赤も、猫も杓子も、馬も鹿も、挙って難解な名前をもつ登場人物達が繰り広げる世界に夢中になっているらしい。

  それなのに私は全くと言っていい程、本作について何の知識も持ち合わせていない。このように新しい物事に対し興味が沸かなくなるという事は、既に老化現象の始まりなのかも知れない。

  それはさておき、唐突ではあるが読者諸氏は「ピーナッツ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。古くは時の総理大臣も絡んだ「ロッキード事件」において、受渡された現金を意味する隠語の事か、そうでなければ炒ったり茹でたりして、ビールのツマミに合う落花生の事だろうか。

 しかし、私がこれから書こうとしているのは、もしかしたら「スヌーピー」と言った方が解り易いかも知れない、あの二足歩行が出来るビーグル犬が登場するコミック、「ピーナッツ」の事なのである。

 本件に関しては以前にも書いた事があるので先ずは復習から。 

kaze-no-katami.hatenablog.jp

kaze-no-katami.hatenablog.jp

 「ピーナッツ」の作者はチャールズ・モンロー・シュルツ(1922ー2000)。そしてこのコミックは1950年正式に開始され、2000年作者の死去と共に終了した。実は去る10月2日は創刊70周年の記念日で、本来ならその日にこの記事を公開する心算であったが、偶々長編を連載中だった為見送らざるを得ず漸く今回投稿した次第。

 さて、半世紀に及ぶこのコミックの歴史の中には様々なエピソードが登場する。勿論全てを紹介するなど不可能なので、今回は「スヌーピー」の得意技の一つである「夢想」について簡単に説明したい。

 比較的初期の頃は、海賊かバイキングのような恰好をして「エンヤラヤット、ラムひと瓶」というパターンが多かったが、次第に「世界的に有名な(world famous) 」を冠した弁護士、裁判官、医者、スポーツ選手などのバリエーションが登場してくる。どの場合もそれらしい出で立ちで、最初は恰好をつけているが最後は大ゴケする事が多い。

 中でも第一次世界大戦のエースパイロット編は何度も登場する人気ストーリーだ。そこではスヌーピーがゴーグル付きの飛行帽を被り、愛機ソッピース・キャメル(実態は自分の犬小屋)に搭乗、宿敵レッドバロン(実在した独軍撃墜王で貴族のリヒトホーフェン)と空中戦を繰り広げる。

 結果はいつも相手に回り込まれ銃撃を受けて、機体(犬小屋の屋根)には弾痕、出入口から煙が出て終わる。また飛行中、突然レッドバロンに出くわし、思わず " Hi, Red. " と作り笑いを浮かべ、何とか見逃して貰おうとしたり(尤もリヒトホーフェンは騎士道を重んずる武人だったので、多分許してくれただろう)、他にも敵地に不時着して、戦場を彷徨うコマ数の多いものや偵察飛行に出かけ、下を見下ろしながら「あわれな歩兵たち」呟くこともある。

 ところで日本に於ける「ピーナッツ」、特に「スヌーピー」の評価はどのようなものであろうか。これは何度も言っている事だが、恐らく「カワイイ」ではないかと思う。

 それに対し私は大いに異議を唱えたい。スヌーピーのみならずユニークな登場人物達は、ある時は人生の悲哀、社会への皮肉、或いは深遠なる哲学、そしてまた底抜けに明るい笑いを我々に与えてくれる筈なのである。

 言葉では上手く伝えられないのが何ともモドカシイ。兎に角これを機に是非一度読んで頂きたい。絶対に面白いから。

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日光2020

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 毎年この時期になると必ず日光へ紅葉狩りに出掛けている。昨年、一度目は東北自動車道が濃霧の為通行止めとなり途中で断念、日を改めて漸く辿り着いた事を思い出した。

kaze-no-katami.hatenablog.jp

 しかし今年は矢張り新型コロナウイルスの感染が怖いし、幾ら「go to ~」とは言ってもウカウカ物見遊山に行く状況とも思えない。

 それでも、そのうち老いさらばえて、車の運転どころではなくなる日も必ず訪れるだろう。かってコーナーを攻めるなどと称しカーブの手前ギリギリまでブレーキを我慢して、スローイン・ファーストアウトで駆け抜けた(心算になっていた)あの頃は、最早記憶の底に沈みこんでしまった。

 今では全く無理をせず安全第一を心掛けてはいるが、視力は低下、反射神経は衰え、判断力は鈍り、もしかしたら来年はもう免許を返納せざるを得ない身体になっているかも知れない。そんな事を漠然と考えながらも、日光行きは中々踏み切れずにいた。

 ところが今年は12年振りに台風が上陸しなかった為、全国的に例年になく紅葉が綺麗との情報が駆け巡った。これはもう今生の名残に、歯を食いしばってでも行くしかないのである。

 そして10月27日午前5時、未だ覚め遣らぬ南の空にオリオン座の三ツ星が瞬くのを眺めながら、私は車のスタートボタンを押した。目指すはあの「日本ロマンチック街道

 という訳で、今回もまた撮影した写真等を、いつものように5分余りの動画に纏めてみた。読者諸氏には居ながらにして色づいた奥日光観光を楽しんで頂こうという趣向である。

 是非ご覧願いたい。


日光 2020 (4K)/風のかたみの日記

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コスモス

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 コスモスの花が見頃だ。白や桃色、紅の花弁が秋の陽を浴びて目に眩しい。私は誘われるようにカメラを抱えイソイソと出掛ける。

  コスモスの語源はギリシャ語の「宇宙・統一」なのだそうである。「COSMOS」といえばカール・セーガンとかいう御仁もいたが、より我々に馴染み深いのは長崎のバイオリン弾きが作り横須賀育ちの少女が歌った「秋桜」という曲かも知れない。あの歌が流行る昭和52年まで「秋桜」は「あきざくら」と読んでいたのだ。

 しかし、さだまさし山口百恵には殆ど興味の無い捻くれ者の私は、各々が卓越した演奏力を持ち、ヤマハのコンテストを勝ち抜いた女性三人組「COSMOS-keyboards trio-」を思い出してしまい、ダメもとでYouTubeを探してみたら何と見つけてしまった。


JAPAN SYNTHESIZER BAND COSMOS

 因みに上のビデオで土居慶子が口に咥えているのは、息の強弱でシンセサイザーの音質を変化させるブレス・コントローラーという代物で、一応我が家にもあったりする。(自慢するほど高価ではない)

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 という訳で今回は彼女達の紹介、ではなくて、2TBの外付けハードディスク中から今年撮った「コスモス」の写真を選び、性懲りも無く動画を編集、お馴染みYouTubeにアップロードしてみた。御覧頂ければ幸甚である。(尚、視聴画質は720p60を推奨)


季節の花 秋桜/風のかたみの日記

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諡(おくりな)

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 今回は柄にもなく少々苦言を呈したい。と言っても大した話では無く常識的な事なので気軽に読んで頂きたい。

 先日、特に当ても無く適当に「はてなブログ」を冷やかしていたところ、偶然にもあり得ない、あってはならないと思われる文言を目にしてしまった。誹謗中傷が目的ではないので出典は開示せず、ましてやIDコールなどする心算は毛頭ない。しかし、そこには間違いなく「令和天皇の四文字があったのだ。

 恐らく書いた本人に悪意は無く単に現在の「天皇徳仁」について言及しようと思ったのだろうが、コメント欄を見ても誰一人その「違和感」を指摘する者は無く、余程私が注意しようかとも考えたが、読者登録している相手ではないし、突然の書き込みは失礼になるかも知れず、そして何より無用な紛争を避ける為、そのまま放置する事にした。しかし、だからといって見なかった事にする訳にはいかないのだ。

 では一体何がどう問題なのか。聡明な読者諸氏には既にお判りの事と拝察するが「令和天皇なのである。

 さて、御高承の通り天皇家の始祖は天上世界の高天原(タカマガハラ)を統治する天照大神アマテラスオオミカミという事になっているで、当然天皇神道を司る存在である。

 神道の世界では所謂戒名(浄土真宗では法名)というものが無い。人が死んだら仏の弟子になるとの考え方は仏教だけの仕来りで、天皇は基本的に仏教徒ではないのだ。

 ならば天皇の場合、戒名に代わる名前はないのか。「ないこともない」。その一つは「諡(おくりな)」と言い、生前の事績への評価、高貴さ、高徳を表した美称が贈られるが、近年は専ら「天皇」が用いられている。

 そしてもう一つ、「追号」がある。これは明治以降「一世一元の制」(天皇一人につき元号一つを定める制度)に基づき「元号」とする事が多い。例えば「明治天皇」「大正天皇」「昭和天皇」といったように、これらは全て「追号」と「諡号」の組み合わせである。

 然らば「平成天皇」と言う呼称はあるのか。答えは「無い」。何故なら先ず崩御されていない事と、「追号」の決定に規定はなく、新しい天皇が贈る習わしなので「平成」にするか否かは未だ明らかにされていないのである。現に平成の「天皇明仁」は退位後は「上皇」となっている。因みに「上皇」が「おくりな」では無い事は言うまでもない。

 以上を勘案すれば「令和天皇などという言葉が存在する道理がない事は明白であろう。これを敢てそのように呼ぶということは、その言霊をもって天皇が早く身罷るよう呪詛していると疑われても仕方あるまい。世が世であれば「国賊」のそしりは免れず市中引き回しの上打ち首獄門(?)。まあ少なくとも「不敬罪」に問われる事は間違いない。

  それでは「現在の天皇」はどのように呼べばいいのか。

 これはご存知の通り「今上天皇」(キンジョウテンノウ)或いは「今上」である。不思議な事に、このように肝心な事を学校では何故か決して教えない。実に由々しき問題ではないか。

 せめて我が国の象徴である天皇陛下の敬称くらい、国民として正しくお呼びしたいものである。

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今上天皇陛下のお印「梓」

季節の花(神無月)

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 前回10月12日に「季節の花(長月)」を投稿したばかりだと言うのに気が付けばもう今月も半ば。年末まで既に80日を切ってしまった。

 然るに筆者が折々に撮影した写真は外付けハードディスク内にシコタマ貯まったままで、この調子では季節外れ、且つ賞味期限切れになってしまう恐れが出てきた。

 という訳で、今回も引き続きスライドショーなのである。

 さて、これは以前にも書いたが、「はてなブログ」で写真を公開する最も手っ取り早い方法は直に写真貼り付けるやり方だ。では何故筆者が敢てYouTube化するかと言うと、直貼りではどうしても頁が重くなって表示するのに時間がかかり、またダラダラと縦長になってしまうが、さりとてそれを解消するのに解像度等画質を落としたくはない。という非常に我が儘な理由からなのだ。

 しかし本音を言えば「写真」そのものに自信が無い為で、それをBGM付きのスライドショーにすることに依って、少しでもよく見えるようになるではないかと秘かに期待しているのである。

 そこで問題になるのはBGMの選曲である。本来ならば自作曲を使えれば良いのだが、これが文章と同じく拙い楽曲ばかりなので反って逆効果になる可能性の方が高い。

 しかし気に入った曲をCDからコピーして使うと、YouTubeから即座に著作権侵害のお叱りのメールが届くし、YouTube自体もライセンスフリーの曲を多数用意してはいるが、「帯に短し襷に長し」の感は否めない。

 既存の曲を自分で演奏する分にはお咎め無しだが、一応グレーゾーンである旨これも連絡が来る。YouTubeのチェック体制がどのようになっているのかは不明だが、全くもって恐るべしなのである。

 筆者はなまじ音楽に対し妙な拘りを持っているせいか、最近は写真の出来よりもBGMの方ばかりに気を取られ、本末転倒もいいところなのだ。

 まあ、そのように四苦八苦しながら作成している事をご理解賜り、ご覧頂けたら幸甚である。 尚、YouTube登録も別段拒んではいないので宜しければお願い申し上げる。


季節の花 神無月/風のかたみの日記

      

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ただその40分間の為だけに(後書)

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 9月3日に連載をスタートした「ただその40分間の為だけに」というタイトルの物語は、10月9日無事最終回を迎えた。書き終えた今、感じる事と言えば「よく最後まで続けられたな」それしかない。

 正直な話、何度か途中で止めてしまおうと考えた時もあった。その主たる事由は、投稿前に読み返すと実に話が詰まらないのである。書いた本人がそうなのだから、読者諸氏が楽しい筈が無い。

 それでもここに賜った数えきれない「はてなスター」や「コメント」の御芳志に励まされ、最期は独り善がりの使命感だけを頼りに何とか脱稿する事が出来た。改めて御礼申し上げる次第である。

 「皆様、本当にありがとうございます。衷心より感謝申し上げます」

 結末をどうするかずっと悩んでいたが、長い付き合いとなった登場人物のクマとナッパに何かプレゼント出来ないかと考え、当初は無かった最後の部分を書き足した。『ハッピーエンドになって良かった』とのコメントを幾つも頂き、結果として良かったし私も嬉しく思っている。

 

 さて、この連載中に季節はすっかり夏から秋へと移行して、このブログのルーティーンの一つ「季節の花シリーズ」も九月(長月)は投稿しないままだった。

 それでも撮り貯めた写真をお蔵入りにするのも忍びず、遅ればせながら公開する事としたので、宜しければ御覧頂きたい。


季節の花 長月/風のかたみの日記

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