引越し挨拶(One Man's Ceiling is Another Man's Floor)

 先週日曜日の夕刻、突然インターホンが鳴った。エントランスからであれば画面に映る筈だが真っ暗のまま。部屋のすぐ前にいるのは間違い無く、女性の声で「引越し御挨拶」だと言う。

 扉を開けるとエプロン姿の小柄な若い婦人が立っており、上階に越して来たので挨拶に伺ったとの事。

 部屋番号を聞けば上とは言え、この建物の作りでは廊下を挟んで斜向かいの位置にあり、殆ど影響が出るとは思えない。しかもご丁寧に挨拶の品まで頂戴した。

 翌朝、管理人女史に訊いてみると、賃貸の入居者で中学と小学校の子供がいて、管理室にもきちんとした挨拶があり、若いのにしっかりしていると褒めていた。

 私が住む集合住宅はすべて分譲だが、歳月と共に様々な事情で売却したり、また不動産会社を通じて賃貸に出す人も多い。

 区分所有者でなければ管理組合にも加入出来ないとは言え、同じ屋根の下小さなコミュニティーの一員として互いに協力する必要はあると思う。

 私は態々挨拶に来てくれた方の名前は忘れないし、何かあれば力になりたいと思う。そういった意味でも引越し挨拶は大切な習慣だと思料する。

 尚、頂いた包みを開けると「ラスク」が入っていた。ここ暫く甘い物を控えていた私だが、誘惑に負け食してみると妙に美味しい。本当はこれが言いたかっただけかも知れない。

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