伊藤蘭、田中好子、藤村美樹からなるキャンディーズは、1973年レコードデビューした。その頃私は高校2年生で、全く同じ年齢(厳密に言えばラン、ミキ2人は1学年上)だったがアイドルには興味が無く、その存在すら知らなかった。
いち早く無名の彼女等に目を止めたのは、同級生かつ音楽仲間のIで、元来洋楽ファンなのに何をトチ狂ったのかと不思議で仕方無かった。
彼は「ランちゃんは最高だ」を口癖に、デパート屋上で行われる新曲発表イベントに一人カメラ持参でいそいそ出掛け、感激のあまりレンズのキャップを外さないままカメラを向けたところ、ランちゃんから指摘を受け事なきを得た。しかし肝心な色紙に彼女からだけサインを貰い損なうという大失態を演じてしまった。
キャンディーズはその後、ランちゃんをメインに据え「年下の男の子」でブレイク、「春一番」で人気を不動のものとして、Iの期待通りの結果となった。
そして、ランちゃんのサインだけが無い残念な色紙は、何故か私が現在も保管している。