愛煙家に告ぐ

 私は煙草を吸わない。と言っても以前はヘビースモーカーだった。幼少の頃から直ぐに扁桃腺が脹れ、毎年2~3回40度近い高熱を発し寝込んでいたので、まさか喫煙するとは思ってもみなかったが、二十歳になるのをきっかけに煙草を吸い始めた。

 最初は飲酒と共に煙を吸った時、クラクラとする快感に惹かれたが、やがて常習化、途中3年程の禁煙期間を挟み、延々数十年吸い続けた。

 唯、若い頃から家では就寝前、煙草の臭いが気になり、真冬でも窓を開け空気の入れ替えを行い、やがて換気扇の下だけで吸うようになった。

 そのうち、やれ嫌煙権だの受動喫煙、健康促進法など、あれこれ喧すくなる中、それでも喫煙を続けたが、友人の殆どは元々吸わないか、子供が出来るのをきっかけに禁煙。今後、彼等と付き合う為、何ら補助も受けず私はすんなり禁煙に成功した。

 少しはお金が残るかと期待したが、その効果は全く無い。

 私は決して個人の嗜好に口を挟む者でも無いが、これ迄の自分の所業は棚に上げ、愛煙家諸氏に是非お願いしたい。歩きタバコ、吸い殻ポイ捨て、その他、他人に迷惑がかかる行為だけは止めて頂きたい。命惜しさに煙草を捨てた私の切なる願いだ。

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