今日、僕は偶然ミチコさんに会った。
可哀そうに咳をしている。
風邪でのどを傷めたらしい。
僕は龍角散トローチをあげて、
親切にうちまで送っていった。
うれしかった。
これで止めたら完全に手抜きと言われそうなので、もう少し書く。
遠い昔、私が髪の長い少女に恋焦がれていた頃、その子と雰囲気がよく似た村地弘美という美少女が、突然テレビのコマーシャルに現れた。
彼女は雨の日、赤い傘をさし、何も言わずに軽く会釈して通り過ぎて行く。それを見送る「僕」は、冒頭のように一人妄想を膨らませ最後にこう叫ぶ。
「と、日記には書いておこう」
まるであの頃の私自身みたいに。