最近フェイスブックのタイムラインに、北海道からは早くも初霜の便り、また愛知県からは矢勝川堤防の満開の彼岸花の写真が投稿されていた。
今年は気温が高いまま推移した影響で、10月に入っても彼岸花の見頃が続いているそうだが、天気予報も、沖縄地方は引き続き熱中症に注意が必要と伝えており、改めて南北に延びる日本列島の長さを実感する。
ところで、私はこの彼岸花という植物が、昔からどうも好きになれない。とにかく色と言い形と言い何とも毒々しく、事実、球根には毒があって、モグラやネズミを寄せ付けないという。
また見た目が炎を連想させる事から、家に持ち帰ると火事なるという言い伝えがあり、間違っても人に贈ったりしてはならない。
そして何よりもその名称に慄然とする。「彼岸」とは向こう岸、即ち三途の川を越えた「あの世」の事であり、それこそ「死」を意味しているのだ。
しかし、私はふと考える。「まずい、ここまで彼岸花の悪口を書くと必ずや祟りがあるに違いない。」
そして私は、せめてもの罪滅ぼしに、カメラを持っていそいそと出掛けて行ったのだった。