最近「忘年会スルー」や「新年会スルー」などといった言葉が、あたかも正義であるかのように語られている気もするが、こちらは相変わらず「新年会する」のである。
勿論、若い衆を集めて偉そうにふんぞり返るような事はしない。長く付き合っている同年代の友人と、少しリッチで美味しい料理をつまみながら、互いの健康に感謝しつつ酒を酌み交わそうという趣向なのだ。
そして選んだ肴は今が旬の「フグ」。正月なので、比較的安価に提供するチェーン店ではなく、奮発して馴染みの鮨屋に用意して貰った。
フグと言えば猛毒テトロドトキシンが有名である。間違っても素人が調理したりしてはいけない。本当に命に関わる事になる。
であれば無理して食べなければいいだけの話であって、ヒラメなど似たような白身魚は幾らでもあるし、実際のところポン酢醤油と紅葉おろしの味しかしないのである。と言ってしまっては身も蓋も無い。
因みにフグの調理資格は各地方自治体毎に条例で定められており、例えば神奈川県の免許は千葉県では通用しない。唯一東京都の「ふぐ調理師」だけがオールマイティーで、全国何処でも有効らしい。
また、大分県では多くの食通の命を奪った「肝」を食べられるという話があり、事実私も佐伯の料理屋で、ポン酢醤油に「肝」を溶いて試した事がある。その時言われたのは「口や舌が僅かにピリピリッとする」。私は判らなかったが、もし本当にそう感じたら、危ないそうだ。因みに現在は大分でも内蔵を食べる事は禁止しているらしい。
まだ他に客も来ていなかったので、店の主とそんな「フグ談義」をした。だが料理は蘊蓄で食べるものではない。
先ず生ビールで喉を潤したら、普段あまり飲まない日本酒をひれ酒にして、いよいよスタートである。
お通しは「数の子」と「くわいチップ」揚げた「くわい」はビールに合う。
これを「てっさ」と呼ぶのは、関西ではフグを「てっぽう」といい、その「刺身」、即ち「てっぽうのさしみ」を略したものだという。
白子キターーーーーー。
こんな感じで焼く。
アツアツがおいちい。
お馴染み唐揚げ。
おまけは「のれそれ」(穴子の稚魚)
以上、正月に「フク」を頂いた。 さてお題の「今年の抱負」、その一つは間違いなく美味しい物を食べる事である。