季節の花(令和三年二月)

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 ふと気づけば暦はもう二月半ば。決して慌ただしい日々を送っている訳ではない。それどころか逆に代わり映えしない毎日である。このような生活は何の印象も残らない為、振り返ってみると極端に短く感じてしまうのだ。

 お気に入りの店で食事も出来ず、行きたいコンサートや観たい映画もじっと我慢。不要不急の外出は可能な限りこれを避けて家に閉じ籠り、ひたすら嵐が通り過ぎるのを待っている。

 それもこれも忌々しい新型コロナのせいである。しかし不自由な暮らしを強いられているのは私だけではないし、感染したり、職を失ったり、更に辛い思いをしている人も大勢いる。不平を言う筋合いではないのである。

 『それでも誰かに当たり散らしたい』 一時期、評判があまり良くないWHOのテドロス事務局長の顔がウイルスに見えたりしていたが、考えてみれば彼が就任した2017年時点では、このようなパンデミックが起きるとは誰も予想しなかった訳で、ある意味彼も不運な人なのかも知れない。

 勿論、感染は怖いし、出来る限り避けなければならない。とは言え過度にナーバスになっても精神衛生上好ましくない。

 目下の楽しみと言えば、運動を兼ねカメラ持参で植物園をウロウロ散歩する事位で、安全を図る為に殆ど人がいない午前9時の開園時刻に合わせ車で家を出る。立春はとうに過ぎたが、はっきり言ってこの時間帯は未だ寒い。

 しかもこの時期、咲いている花は数える程で、それも四季折々の風情の一つと言ってしまえばそれまでだが矢張り寂しい。盛りを過ぎたロウバイスイセン。これから盛りのウメにフクジュソウ等々。もうすっかり見飽きてしまい、何故か野鳥も近くに寄って来なくなった。

 そんな時、何やら黄色い物が木の枝に付いているのを発見。立札を見ると「シナマンサク」と書いてある。マンサクと言っても当然狂言役者ではない。イソギンチャクのような細長い紐状の花弁を持つ不思議な花である。更に進むと今度は同じ形をした赤い花(アカバナマンサク)も発見。読者諸氏にはご存知の方も多いのだろうが、私は初めて見たような気がする。

 という事で、今回はこの「マンサク」を中心にお馴染み?「季節の花」をご覧願いたい。尚、BGMは機械仕掛けのキース・ジャレット・カルテットが演奏する「Country」

 と思ったら、あまりに本物を忠実に再現したせいか、YouTubeから著作権者からの申し立てがありブロックしたとのメールが届いた。仕方がないので泣く泣くサックスをミュートして電脳キース・ジャレット・トリオに変更、何とかお目こぼしをして頂いた。 


季節の花 令和3年2月/風のかたみの日記

 

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