きっかけはこの記事だった。
これによると本年1月24日以降、2月初旬まで、東京周辺からダイヤモンド富士が見られるという。しかもその条件は僅かにふたつ。先ず、富士山が西の方角にある事。そして晴れて雲が無い事。
この太陽と霊峰が織りなす絶景を、私は実際に眺めた事はない。というか、どうしても見たいという程のものでもなかった。しかし、それがわざわざ山梨や静岡まで出かけずとも観る事が出来るのであれば話は別である。
因みに、私の居住地から富士山までは、Google Mapで計測すると、直線距離で凡そ100km。それを300mmの望遠で撮影したものが下の写真。
(2022年1月1日 撮影)
『これだけ見えれば充分ではないか。方角は厳密に言えば西南西だが、多少太陽が富士山頂からずれても問題ないだろう』私はそう考えた。
後は天候である。これも、何せ1月6日に積雪があって以降、雨らしい雨は降らず、連日の乾燥注意報付の好天が続いている。
『今回の企画は案外イージーかも』
ところがである。昼間は快晴なのに夕方が近づくにつれ何故か雲が出て来るのだ。しかも富士山がある方角にだけである。
『まあ、偶にはそんな時もあるだろう』しかし、翌日も、更にその翌日も、♪ 黄昏は風を止めて、ちぎれた雲はまたひとつになる ♪ (「秋の気配」小田和正)が繰り返され、挙句に「晴れマーク」が出ていた天気予報まで、気がつくと「雲りマーク」に変わっていたりする。
そのような状況が一週間も続くと、流石に『これはもう呪われているとしか言いようがない』と思わざるを得なくなる。それでも、ついシャッターを切ってしまうのは悲しい性というべきか。
しかし私は知っている。
『もしそこに僅かでも可能性が残されているのであれば』その一縷の望みを抱き、カメラ小僧は輝くダイヤを求めて、明日もまたここに来るに違いない。