毎週土曜はワインの日(4)~江戸の三味~

 このタイトルを付けた記事をシリーズ化する心算は毛頭無いが、相変わらず土曜日にはワインを飲んでいる。

 しかし長引くコロナ禍のせいで、こうも「家飲み」が続くと、数少ないツマミのバリエーションも尽き、いささか飽き飽きして来た。

 とは言っても、相変わらず感染者数は高止まり状態。発生源らしき隣国では厳しい外出制限が行われ、何やら第七波も懸念される今日この頃。まさかとは思うが、いつ何時また蔓延防止措置や緊急事態宣言が発令されてもおかしくはない。

 『かくなる上は、今のうちに思い切って外食し、美味い料理を肴に心ゆくまで飲み上げてやろうではないか』そう心に決めた。

 では一体何を食べるか。僅かなチャンスをショーもない食事に費やす訳にはいかない。やはり、家では味わえないような極上の料理でなければならない。その為には多少の出費も覚悟する。

 その後、散々悩んだ末に選んだのは『天麩羅』。「えーっ、そんなん、家でも食べられるやんけ」と思った方も多いと思う。しかし、声を大にして言いたい。「天麩羅は天ぷら屋で食べる方が絶対美味い」

 私が天麩羅を店で食べる理由は、先ず、家ではどんなにあがいてもこれ程カラッとは揚がらない事。もう一つは、具材の前処理等の準備や、油の始末等の後片づけをしなくて済む事、この二つに尽きる。

 店のカウンターに座り、揚げたての天麩羅に塩をパラっと振って、時にはハフハフしながら頂く。もう想像しただけで涎が垂れて来るではないか。

 天麩羅は、鮨、蕎麦と並び「江戸の三味」と呼ばれている。確かに東京にはその三つを扱った店が多い。チェーン店から老舗まで、玉石混交、ピンからキリ、月と鼈、バラとペンペン草、水爆と竹槍状態である。

 その中で今回は昭和五年創業、現在は全国に展開している「銀座天一」の「日本橋室町店」。殆ど十年振りの訪問になる。

 そして4月16日(土)11時30分、昼の営業開始と同時に入店、早速「宴」が始まった。(尚、カウンター席はコースのみ)

 先ずはビールから 

           

 先付は炊いたフキと野菜サラダ。天麩羅の薬味はレモン、塩、汁と大根おろし

           

 海老の頭のから揚げからスタート(味噌等は綺麗に取り除いてある)

           

 車海老(最初に出て来るのは「江戸前」の名残か)

           

 キス(これも定番)

           

 白ワインはシャブリ(ワイナリーと提携しラベルに屋号が入っている)

           

 椎茸(下に海老のすり身がある)

           

 ここで何故か鮪の刺身(不味くはないが無くても良かったかも)

           

 鮎(腸が付いたままなので若干苦味がある)

           

 筍(旬の物)

           

 穴子(これも伝統的な「江戸前」の食材)

           

 蓮根(コースには入っていないが好物なので別注文)

           

 この後、〆にかき揚げがあり、天丼か天茶漬けを選べるが、既に満腹になっていた為、かき揚げだけを頂いた。尚、撮影は失念。

 デザートはマンゴー。

           

 以上、この日のコースは「室町特選(¥10,000)」飲み物や消費税等を合わせると2万円弱。決して安くはないが偶の贅沢、大変ご馳走さまでした。