あれは三年前

 


 つい先日、スーパーへ行くと入口付近に特設コーナーが設けられ「梅酒」造りに必要な材料、容器等一式、全てが揃えられている。

 『そうか、もうそんな時期か』 漠然と眺めていると、そう言えば我が家にも自分で漬けた梅酒があった事を思い出した。

 ところで、梅酒といえば「チョーヤ」が有名だ。この会社は大正時代に創業し、最初は生葡萄酒(ワインと言わないところがいい)、その後ブランデー等を経て、現在の梅酒メインの体制となったようだ。株式会社だがサントリー同様、非上場、独立系である。

 注目すべきは、同社の梅酒は100%国産の梅を使用し、添加物は一切使っていないという点。人工酸味料等を使った所謂「合成梅酒」が増加する中、この頑なさは尊い。これならわざわざ自分で造る必要など何処にも無いではないか。

 それが3年前、何を思ったか突然、私は自分で梅酒を仕込んだ。調べてみると、それから1年経った時点でブログに書いてあるのを発見。

 思い起こせば私が子供の頃、我が家にはあれこれ果樹酒があった。造っていたのは自分は一滴もアルコールを口にしない母で、飲むのは専ら父だった。その両方の血筋を受け継いだ私が、自分で造って自分で飲むようになったとしても何の不思議もない。

 【かなり前に造ったイチゴ酒とリンゴ酒】

          

 これがあまり美味くなかったせいで、やはり家庭で出来るリキュールの王道「梅酒」に挑戦しようと考えたのだろう。

【梅酒の材料と漬けた状態】

          

          

 青梅が綺麗だが、明らかに氷砂糖の量が多い。

【一番美味しくなると言われている2年後】

          

 当初、仕込んだ3瓶のうち一つは知人に進呈する予定であったが、生憎、新型コロナが発生した為、断念。「甘すぎる」など、何だ彼んだ言いながらも自家消費した。 

【そして現在の状態】  

          

 子供の頃、漬かった梅をボリボリ食べて少しイイ気分になった事を思い出し、取り出してかじってみたが、硬くてあまり美味しくなかった。

          

 さて以上、梅酒に関して言えば、やはり「チョーヤの梅酒」を買ってくるのが一番手っ取り早くて美味しい、というのが私の結論である。(何のこっちゃ)