八岐大蛇(神話の裏側1)

 大学の同級生が自分のフェイスブックで、歌舞伎の「ヤマタノオロチ」に触れているを見て、そう言えば以前私も「大蛇」について書いたような気がした。ところが何処を探してもそのような記事は無く、原稿すら残っていない。そんな筈は無いと言っても仕方が無いので、改めて書く事にした。

 ご存知の通り、「八岐大蛇」は頭と尾をそれぞれ八つ持つ大蛇のことであるが、この存在そのものは全て出雲の国に関係している(所説あり)。

 即ち、おぞましい姿は氾濫を繰り返す河川であり、またスサノオに退治された後、体内から出てきた「草薙剣」(天叢雲剣)は、鉄鉱石(砂鉄)の産地、且つ製鉄技術(たたら)があった事を意味している。

 因みにこの剣は東国平定に向かうヤマトタケルが持ち、途中相模(駿河?)の国造(くにのみやつこ)に騙されて草むらに火を放たれた時、剣を抜いて草をなぎ倒し火の向きを変えたという。静岡県の草薙と焼津がその場所である。

 そしてその剣は安徳天皇と共に壇ノ浦の何処かに沈んでしまい、レプリカが熱田神宮に現在もある(らしい)。

f:id:kaze_no_katami:20180710215415j:plain

 実は何故、以前書いた筈の記事が見つからないのか、その理由が判ってしまった。「八岐大蛇」に関する記述が、ウィキペディアの「ヤマタノオロチ」の纏めに過ぎなっかったのである。

 私はブログを書く時、参考文献や辞典は見るがウィキは見ない。全くもって傍迷惑なサイトだ。せめて一矢を報いる為に、草薙剣のいわれを書いてみた。 

記録的集中豪雨に想う(緊急投稿)

 何でも地球温暖化に結びつける姿勢には甚だ疑問を持っているが、確かに此のところの天候はおかしい。兎に角、どれも季節外れで尚且つ極端過ぎるのだ。

 そして梅雨明けしたと発表された矢先、今回の豪雨である。最初、気象庁の会見を、また外れるだろうと高を括っていたが、不幸な事に予報通り、或るいはそれ以上の被害をもたらす事になってしまった。

 大規模な災害が起きる度、常々思う事であるが、時間の経過と共に増え続ける死亡者と安否不明者の数、本人も周囲の人も夫々の物語を持ってこれ迄生きてきたであろうに、ここで一つの時間が止まってしまうと考えると、いたたまれなくなる。

 そしてそれを淡々と伝えるテレビの画面が、何とも無機質に見えて来てしまうのだ。

            f:id:kaze_no_katami:20180708210311j:plain

Blossom

   今から8年前の或る日、UDOチケットサービスからメールが届いた。何とマイ・フェイヴァレット・ミュージシャンのキャロル・キングジェイムス・テイラーのジョイント・コンサートが日本武道館で行われると言う。

 しかもサポートミュージシャンはダニー・コーチマー(クーチ) g、リーランド(リー)・スクラー b、ラッセル(ラス)・カンケル dr、というウエストコーストを代表する一流セッション・マンばかり。私にしてみれば、たとえ雨・槍が降ろうと、また仕事をサボろうとも、これを行かない手は有り得ない。

 早速予約し、一日千秋の思いで当日を待った。そして2010年4月16日、生憎の天候で、しかも地下鉄「竹橋駅」で降り、武道館への坂道の途中、季節外れの雪が舞って来た。半ば凍えながらアリーナ席に着くと、思ってもみない良い場所で尚更期待が膨らむ。

 いよいよコンサートが始まった。オープニングは「ブロッサム」、恐らく日本の季節に合わせた選曲と推測されるが、雪降るこの日に限ってはミスマッチ。多分JTも当惑したと思うが、急遽、当日のセットリスト変更が出来なかったのだろう。

 それでも両者共、年齢を全く感じさせない歌声と演奏。バックも派手さは無いが堅実。実に素晴らしい一夜となった。

      f:id:kaze_no_katami:20180606231140j:plain

 尚、この二人をご存知無い方々の為に(恩着せがましい)YouTubeで動画を発見。私が行ったLiveでは無いが、雰囲気だけでも感じて貰えれば幸い。

    

www.youtube.com

くれないの豚

  私は歳を重ねてから、初めて「優しい」と言われるようになった。自分としては若い頃から充分その心算だったが、仕事上ギラギラした部分もあり、社内でも大きな軋轢を生じたり顰蹙をかった事も事実だ。

 今や人と口論する事も無く、偶にカチンと来ても極力笑顔で対応するよう心掛けている。

 しかし元来短気なので、もし認知症にでもなったら、本性が現れるかも知れない。名付けて「豚の皮を被ったハイエナ」?

        f:id:kaze_no_katami:20180605131720j:plain

香を焚く

 タイトルからすると随分高尚な話のようだが、決してそうでは無い。第一私は「香」について何ら知識も無い。

 随分昔、偶に一人で銀座8丁目にある「ぎんざ神田川」という鰻屋へ昼食を食べに行っていた。入り口から階段を下ると、お香らしき何とも言えぬ良い香りが漂う。

 気になったので店の人にその事を言うと、「臭いですか」との反応。私は事情を話し、入手方法を訊ねたら販売店の名前と電話番号を教えてくれた。

 当時は未だネット通販は発達しておらず、勤務先から京都の販売店に電話、何だかやる気が無さそうで無愛想な対応に困惑しながらも、着払いにて大量購入。

 届いたのは香木などの本格的な物では無く、まるで「日本の夏」の蚊取線香を小型にしたような緑色の渦巻き。

 早速、火をつけてみた。あの香りが家でも楽しめるようになり幸せな気分。ついでに香炉なる物も欲しくなり、陶芸が趣味の姉に無理やり二つ創ってもらった。

          f:id:kaze_no_katami:20180605123423j:plain

きれいなお姉さんは好きですか?

 夜更けの繁華街に立つ、怪しげな客引きからそう聞かれない限り、私の答えはYESだ。

 しかし、一口に「きれい」と言っても万世不易、絶対的判断基準がある訳でも無い(でしょ?)。しかも「きれいなお姉さん」の概念が時代と共に変遷しているのは、浮世絵の美人画を見れば一目瞭然。尚且つ、そこに個人的嗜好が加われば、一体どのような結論に達するのだろうか。

 その昔、吉原で太夫と呼ばれた才色兼備の女性も、単に教養がある下膨れで細目の顔立ちであった可能性は否めない。

 話は変わって、現代に置いて容姿端麗である事に何か利点はあるのか。それは確かに少なからずあると思う。人は残念な事に他人の全ての情報を、第一印象だけで判断出来ない。

 近い将来、極小のICチップでも埋め込められれば別だが、首から履歴書をブラ下げていない今は、幾ら優秀且つ性格が良くても、先ず目に入るのは容姿。

 勿論そこから全てが始まる訳では無いにせよ、類まれなる容姿とある程度の知能があれば、より良い生活と優秀な遺伝子を入手する確率は高い(のではないだろうか?)。

 散々言いたい放題だったが、一見カワイ子ちゃん、またはイケメンだろうが、バカはバカだし、性格の悪さも露呈する。それは自ずから顔に現れるのだ。

 まあ、蓼食う虫も好き好きとの言葉もあり、これである程度、世の中、上手く行っているのだろう。

 ところで困った事が起きた、これを書き終えて安心していたところ、添付するに相応しい写真が無いのだ。苦肉の策がこれ、誰だか判りますよね。もし著作権や肖像権に抵触するのあれば直ちに削除するので、ご一報願いたし。

              f:id:kaze_no_katami:20180617182120j:plain

父の日

 以前「母の日」に因んだブログ書いたのに、「父の日」に触れなければ片手落ち(差別、または放送禁止用語かも)になると考え、取敢えず試みる事とした。

 私の勝手な思い込みかも知れないが、人は成長過程に於いて程度の違いこそあれ、必ず反抗期を迎える(かな?)。

 特に男子の場合、G.フロイトに言わせれば「エディプス・コンプレックス」、そのエディプスとはギリシャ悲劇に登場するテーバイの国王の名。そしてギリシャと言えば神話。尚この論旨の展開には、かなり無理があると思う

 が、構わずに続ける。

 神話はストーリーよりも、むしろ隠された背景を読み取る事が肝要。例えば八岐大蛇を退治したら、何故「草薙神剣」が出てきたのだろうか。

 私の回答はこうだ。かって出雲の国は幾つもの河川の洪水に悩まされていた。八岐大蛇はそれを象徴し、併せて草薙神剣は鉄鉱石の産地であった事を伝えているのである。

 ところで一体何が言いたかったのか。私は中学から高校までの6年間、父親と殆ど口を聞かなかったし、何か言えば必ず喧嘩になった。

 結局、父母、何方にも親不孝で愚かな息子だった。それを言う為だけに随分遠回りをした。情けない事に相変わらず愚かなままである。

              f:id:kaze_no_katami:20180615235056j:plain