富士山の日

 今日2月23日は、語呂合わせ2 (フ) 2 (ジ) 3 (サン) で、「富士山の日」なのだそうだ。地元の山梨県静岡県が制定しているという。

 言うまでもなく富士山は日本の最高峰であり、大きく裾野を広げたその優美な姿は、我が国の象徴として世界中に知られ、私なども子供の頃から実物や写真で散々見て来たにも拘らず、未だに新幹線や飛行機の窓から思わず見入ってしまう。

 勿論、美しい山は他にも沢山ある。しかし古くから信仰の対象にもなる程、霊峰富士の存在は明らかに別格なのだ。

 さて、その「富士山の日」を迎えるにあたり、根っからのミーハー人間の私としては、これはもう見に行く他ないと決めていたが、日和見主義者としては遠出をして連休の大渋滞には巻き込まれたくはない。

 そして本日、午前6時30分の日の出に合わせて、荒川土手を目指し車を走らせたのだ。

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 天気は予報通り晴れ、気温4度、北西の風3m。それ程寒さは感じない。朝日を眺めてから、お目当ての富士山の方角を見る。

 しかし直ぐには見つからない。「おや、何処にあるのか」再度目を凝らして見詰め直す。

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 白い建物の右側にうっすらとそれらしき山影を認める。「未だ暗いせいかもしれない」更に日が昇るのを待つ。

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 だが相変わらず霞んだままである。

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 そして3分後。

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 次第に周囲も明るくなり、遠く東京スカイツリーを望む。

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 しかし富士山は・・・。

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 待つこと5分。

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 快晴であればくっきりと見える筈なのだが。

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 一体どうしてしまったのか。昨日の春一番は、空気中のチリや埃を全て飛ばしたのではなかったのか。

 これはきっと強い風に乗って、タクラマカン砂漠の黄色い砂が運ばれて来たに違いない。
 「全くあの大陸は様々な害ばかりをもたらす疫病神のような存在だ」と八つ当たりしながら帰宅したが、一応調べてみた。

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 気象庁発表 黄砂情報)

「あれ、これをみる限り黄砂ではないようだ」新型コロナウイルスのせいで、つい疑ってしまった。以後、気を付けたいものである。
 という事で「富士山の日」に富士を見ようとの私の目論見、残念ながら果たす事は出来なかった。

 まあ、いつも思い通りにはいくとは限らない。

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江戸の敵を川口で討つ

 残念な結果に終わった前回の中華料理だったが、懲りずに食べ物について書く。

 今回は「Youは何しに日本へ」等、低予算ながらユニークな番組作りが知られるテレビ東京で紹介された老舗料亭に行ってみる事にした。

 所在地は「本当に住みやすい街大賞2020」で、栄えあるグランプリに輝いた埼玉県川口市。料亭という言葉とは縁遠い場所との印象も受けるが、鋳物産業で栄えた時代には、当然それなりの店があったとしても不思議は無い。

 先ずはどのような所か確認すべく、昼前、早咲きの桜に誘われてノコノコ出掛けた。

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  JR川口駅東口から約500m。店の看板が見えて来た。

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 自動ドアが開きカウンター席へ。

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ランチタイムのサービスメユー、日替わり定食をオーダー。

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 これで税込み1,000円は評価出来るし、また店の感じも悪くない。話を聞くと何と大正元年の創業で、当時は木造二階建。かって栄華を極めた鋳物工場の経営者達が、百畳の座敷に芸子をあげての宴会の日々だったとの事。

 実はこの日の朝、古い友人から翌日会おうとのメールが入っていたので、早速この店を予約してみた。

 さて翌日夕刻、駅で待ち合わせて店へ行く。

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 先ずはビールで乾杯。料理はカウンター席限定メユー「ミニ懐石」を注文。我々が席について間もなく、奥の座敷から常連客と思われる団体が帰り支度をして出て来た。聞けば午後四時から宴会をやっていたらしい。

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 先付とお造り

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 焼物

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 煮物(この日は鍋)

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 揚物、天麩羅は目の前で揚げる。

 以上の五品で3,500円、味もまずまず。食事は別注文で麺類、各種お茶漬け等が用意されている。

 尚、この日は珍しく芋焼酎を頂いた。

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 取り敢えず気軽に行ける店としてリストに入れる事にしたが、次回は単品を三品程試してみようと考えている。

www.ebiya-mikakumon.com

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今夜は中華、食べチャイナ!

 その昔「中国三千年の歴史」と言われていた。勃興しては衰亡する数多の国の中から、政権を握った順に「イン、シュウ、シュンジュウ、センゴクジダイ・・・」と暗記した。

 ところがある日突然「夏(か)」という王朝の存在が判明したと言い出し、いきなり四千年になった。更に最近テレビのCMで「中国五千年」というキャッチコピーが流れた。

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 あの国は一体どうなっているのだろうか。いくら何でも千年は鯖の味噌煮、ではなくて鯖の読み過ぎではないのか。

 解り辛いのは歴史だけでは無い。食についても同様である。「四本足のものは机と椅子以外、二本足のものは家族以外、飛ぶものは飛行機以外、水中のものは潜水艦以外、何でも食べる」。これは中国の食習慣を例える言葉としてよく耳にするが、訳の分からない怪しげな物を食べるせいで、今般のCAVID-19のようなおかしな病原菌が発生するのではないか、と勘繰りたくもなる。(それにしても「二本足は家族以外」という部分、よく考えたらかなり怖い)

 しかしである。今、我々が何の違和感の無く食べている中華料理は、そんな彼等、中国人の飽くなき食への執念と、命を賭した英雄的行動が生んだ賜物と言えるのではないか。常識的に考えて、誰が断崖絶壁にあるツバメの巣を食べようなどと思いつくだろうか。

 そのような悪戦苦闘、試行錯誤の末、漸く手に入れたであろう食材を、更に絶妙な調理方法で味を付ける。人気の高い「北京ダック」や「フカヒレ姿煮」も、前者はカリカリに焼いたアヒルから削いだ皮、後者は鮫のヒレを茹でて、干して、乾燥させ、再び煮て戻す。全くもって「手の込んだ」というよりも、通常の発想からはかなり逸脱した料理だ。しかし、そのお陰で独特の食感と美味が誕生するのである。

 さて、こうやって食べ物の事を想像し始めると、次第に居ても立っても居られなくなる。今、街中に蔓延しているかも知れない新型コロナウイルスは気になるが、それでも食欲には抗えず、さして効果が期待出来ないマスクだけを頼りに、私は勇躍目的地へ向かった。

 JRと東京メトロを乗り継ぎ夕刻店に到着。女子会と呼ぶのは少し憚られるお年頃の淑女が五名、既に入口で開店を待っていた。彼女達のような人種は「如何にリーズナブルな食事をするか」について常にアンテナを張り巡らしており、その情報量は決して侮る事は出来ない。という事はこの店はお眼鏡に叶ったのだろう。と、いやが上にも期待が膨らむ。

 果たして、案内された個室はやけに狭い。

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 これでは閉所恐怖症の人には辛いに違いない。 と余計な心配をしながら席につき、改めて予約したメニューを確認する。   f:id:kaze_no_katami:20200216060145j:plain

  通常、福沢諭吉が旅立つところ、その6割で同等の食事が出来るお得なコースだと言う。そして宴が始まった。

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  ここで大きな勘違いをしていた事に気づいた。てっきり「フカヒレの姿煮」と思っていた料理は「フカヒレの煮込み」だったのだ。

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 各品、決して不味くはないが、取り立てて美味しくもない。仕方なく別料金で「北京ダック」をオーダー。

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  麺は二種類から選択。

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 以上で晩餐は終了。残念ながら久々にスカを引いた心境である。従って当初、店名等を大々的に記載しようと考えていたが、今回は見送る。

 この恨み、次回必ず晴らさで置くべきか。

冬来たりなば春唐辛子?

 相変わらずショーもない親父ギャグに固執しているのである。しかもその執着心たるや駄洒落に止まらず、先だって蠟梅を見に出かけた川口グリーンセンターを気に入り、迷わず年間パスを購入したのである。(尚、入場料は1回310円、年間券は1,070円とお得)

 この市営植物園のいいところは、四季折々の多種多様な草花は勿論、とにかく広くて空いてて、車や自転車の通行は無く、随所にベンチと自販機が配置され、勝手気ままに散策が出来る事だ。

 他にもレストランや花屋もあり、「生ビール冷えてます」のノボリが、車で来ている私には悪魔の囁きに見えてしまう。

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        〒333-0826 埼玉県川口市大字新井宿700

 ここはまた二つの大きな温室の他、ミニ鉄道やプール、スケートリンク等も備えており、幼児から老人まで幅広い年齢層に対応している。従って花が咲こうが咲くまいが関係なく、これはもう行くしかないのである。

 と言う事で2月某日、私と私の車は最早通い慣れた何時もの道を、目的地目指して走り、程なく到着。後は歩きながら、気が向けばカメラのシャッターを切るだけだ。

 車をパークして早速園内に入り少し行くと、何やら遠くの赤い物が目に留まった。思わず足を速めて近づくと、何と、梅の花が咲いているではないか。

 それでは以下をご覧頂きたい。

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 満開には未だ早い。しかし期待していなかっただけに、この時期にこれは満足出来る。それでもC.チャップリンではないが、 The Next One と言ってみたい。そうやって私は、また一つ楽しみを増やしているのである。

#ドライブと音楽

  今回は「今週のお題」とやらについて書いてみようと思う。このタイトルを最初に見た時、真っ先に浮かんだのは、音楽、それも特にジャズやロック系で「グルーブ」等と共に使われる、所謂「ノリ」という言葉である。

 例えば完全にリズムに乗っていれば「ジャスト」。若干前倒し気味で早めにビートを刻めば「前ノリ」、その逆は「後ノリ」。概してこの様なリズムのうねりを「ドライブ」と言う。尚、「ハシる」とか「モタる」は、リズムから外れた場合なので「ドライブ感」とは言えない。因みに「薩摩守ただノリ」は無賃乗車の事である。

 以上の通り、唯でさえ言葉で表現するには難しい事柄を、必死になって考えてみたが、「お題」の説明をよく読むと、完全に勘違いである事が判明した。

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  ったく何てこったい。とにかく純情なオッサンを惑わすような、紛らわしい表現は止めて貰いたいものである。などと自分の早合点は棚に上げて文句を言ってみる。

 さて、ならば、私は音楽は聴くのも演奏するのも好きだし、また車の運転もする。車には一応カーステレオなる物があって、数えた事はないがスピーカーも幾つか付いており、ソースとしてはFM/AMラジオ、CD,USB/Bluetooth機器、他に停車中のみ地デジのTVも映る。

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ドアにあるウーハー

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      フロントピラーにはツィーター

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                 ディスプレイ

 以前は運転中、必ずと言っていい程カセットテープやCDを聴いたものだが、現在の車に変えてから音楽を聞く事は稀になってしまった。理由は至って簡単。CDの出し入れが非常にやり辛く危険でもあるせいだ。 

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 狭い車内

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  CDプレーヤーは座席後部にある為、運転中は操作不可。

  昔のようなCD10連奏のオートチェンジャーでもあれば話は別だが、これでは同じ曲を何度も聴く羽目になる。

 しかもオープンカーなので、唯でさえ静粛性に欠けるところ、屋根を開けようものなら、とても音楽を聴く環境では無くなってしまう。従って運転中は偶に嘘をつくナビの音声を聞くだけなのである。

 それでも強いて、ドライブ中に聴くお勧めの音楽を挙げるとするならば、これをおいて他にはないだろう。

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 単にカーマニアのみならず、多くのゲーマーを唸らせたドライブ・シュミレーション・ゲーム「グランツーリスモ」のサントラである。

 このCDのトップを飾るのは主題曲でもある「MOON OVER THE CASTLE」。F1のテーマ「Truth」でお馴染みのT-スクェアのギタリスト、安藤まさひろの作品だ。


Masahiro Andoh - Moon over the Castle 2009 (Remix Version)

  蛇足ながらドラクエファイナルファンタジーといったRPG専門だった私が、唯一指先の運動神経を駆使するゲームがこのグランツーリスモで、次々とコースの攻略に成功したが、ニュルブルクリンクだけどうしても覚える事が出来ず、そこで断念した。

 如何だろう。これを聴きながら運転すれば、最早ステアリングの代わりにバイブレーション機能付きゲームコントローラーを握り、時速200kmを越えるスピードでコーナーぎりぎりを攻めている気になるのではないだろうか。

 但し、間違っても制限速度をオーバーして、事故など起こしたりしないようくれぐれもご注意願いたい。 

  さて、取り敢えず言うべき事は以上だが、ここで終わらせないのが当ブログのイイトコロ () なのである。何とグランツーリスモにインスパイアされ、自分でドライブの為の曲を作ってしまったのだ。タイトルは未だかって行ったことのない聖地にある高速コーナー「SUZUKA 130R」。

 今回の為にYouTubeにUPしたので、もし良ければお聴き願いたい。 


SUZUKA 130R

残念ながら、矢張り安藤さんには敵わないな。

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木綿のかもめが翔んでイスタンブール(2/2)

 「オーケストラで歌う 青春ポップスコンサート 太田裕美庄野真代渡辺真知子」が行われる「川口総合文化センター・リリア」は、1990年、埼玉県川口市市街地再開発事業の一環としてJR川口駅西口前に建設、開業した文化施設で、「リリア」の愛称は市の花「テッポウユリ」に由来する。

 (念の為申し添えると、かって風俗店街として有名だった場所は、西川口駅西口なので、くれぐれも混同する事が無い様願いたい)

 ここには2,000人を収容するメインホールの他、大小様々なホールや設備があり、クラッシック系のコンサートを主体に、各種公演や成人式等の行事に使用されている。

 私は今迄何度かここを訪れた事はあったが、それは全てタワーの上層階にある中華レストランに行く為で、コンサートホールに入った事は無い。昨年、岡村孝子の公演に行こうと考えていたところ、彼女が急性白血病を発症し中止となってしまい、以後、機会が無いままだった。

 当日2月2日、この日は日曜日と言う事もあってか、公演は15時30分開場、16時開演、18時終了と早い。この時間帯であれば夕食前に終わるので、空腹に耐えながら音楽を聴く必要は無い。また観客の帰宅時間も早くなる為、比較的遠方からの来訪も可能である。今や時短、ゆとりが求められる時代、今後このようなスケジュールのコンサートが増えるのではないかと思う。

 そして私は15時過ぎ現地に到着。

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 エントランス前

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 未だ時間があるのでウロウロ。 

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 一応、掲示板で催物を確認、メインホール以外にも色々やっている。

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  ポスターの下に「完売御礼」の文字。これは2,000人もの人間が一つの空間にひしめき合う事を意味する。

 そこでふと考えた。この時期それだけ人が集まれば、新型コロナウイルスはともかく、インフルエンザに罹患しながらも、無理して見に来る者の一人や二人いても何の不思議もない。これ迄折角風邪ひとつ引いていないのに、うつされては堪らない。

 とは言っても今更帰る訳にもいかず、後は運を天に任せるしかない。そう覚悟を決めホールの中に入った。 

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  写真では判り辛いが、床には傾斜が付けられて前方の視界は良好。天井は高く3階席まである。やがて座席は全て埋まった。

 さて、ご高承の通り、コンサート中の撮影、録音は禁止されており、これから先の記述は、不確かな私の記憶に頼る事となる。従って事実と異なる可能性がある旨、お含み置き願いたい。

 午後4時、定刻通り照明が落とされ、先ずステージにN響団友オーケストラが姿を見せた。弦7名、木管金管9名、それにピアノとドラムスの総勢16名。早速オーボエのAの音を基に各人がチューニング。

 そして聞き覚えのある力強いピアノのイントロが始まる。普通ならここで客席はスタンディングオベーションの筈だが、如何せん観客の年齢層が高いせいか手拍子のみ。

 いよいよ三人の女性歌手が下手から手を繋いで登場、渡辺真知子のヒット曲「唇よ、熱く君を語れ」を歌い始めた。各人順番にソロで歌うが、何と言っても渡辺のパワフルな声は正に鎧袖一触、圧巻である。

 その渡辺とは対照的にスレンダーな肢体が目につく庄野真代。体型維持に努力しているのか、元来太らない体質なのか。何れにしても羨ましい限りである。

 そして相変わらず幼児体型で声も少女みたいな太田裕美。彼女が乳癌である事は知っていたが、「治療しながら歌っていく」の言葉通り、思ったより元気そうに見えた。

 曲は庄野真代の「HEY LADY やさしくなれるかい」、そして太田裕美の「南風」と続き、取り敢えず三人一緒のステージはここ迄。後は渡辺、庄野、太田の順でソロが始まる。

 このセクションに於いても、客観的に見て渡辺真知子のパフォーマンスは群を抜いており、時間的にも一番長く、ジャズ風にアレンジされた「ブルー」などを披露した。

 庄野真代に関しては前回述べた通り、あまりよく知らなかったが、「イスタンブール」の他に「モンテカルロ」もあったのだと思い出させてくれた。

 そして太田裕美のデビュー曲「雨だれ」を、当時と同じようにピアノの弾き語りで聞く事が出来、今は亡き大滝詠一のドラマチックな名曲「さらばシベリア鉄道」も感動的であった。

 これが完全に単独コンサートの場合、ともすれば退屈する事もあるが、このような形式ならば全く飽きが来ない。但し、コアなファンにとっては「聞きたい曲を聞けない」と食い足りなさを感じるかも知れない。

 また全く電子楽器の無いサウンドも、ある意味新鮮だ。そこには腹に響くようなベースの重低音も、耳をつんざくギターのディストーションも無い。

 生のオーケストラを聞くのは昨年二月、武蔵野市民文化会館での名古屋フィルハーモニー以来一年振りになるが、しかし、それがバロックや古典派から近代まで繋がる音楽の原点なのではないのか。等とちょっぴり大それた事を考えた。

  まだまだ語り尽せない話は山ほどある。だが書けば書くほど詰まらなくなりそうなので、そろそろ筆を置く事とする。

 尚、5年前に始まったこの「オーケストラで歌う 青春ポップスコンサート」は、公演回数約50回を数え、残すところ栃木県真岡市 (2/8)、千葉県船橋市 (3/7)、富山県射水市 (3/15) の3回のみと言う。もし近くにお住まいならば、足を運んでみては如何だろうか。

 最後に、今回は珍しくセットリストを 。

  <オープニング>

   唇よ、熱く君を語れ

   Hey Lady 優しくなれるかい

   南風

  <渡辺真知子

   迷い道

   ブルー

   花束をありがとう

   愛のゆくえ

   かもめが翔んだ日

  <庄野真代

   飛んでイスタンブール

   モンテカルロで乾杯

   アデュー

   月夜のワルツ

   Be yourself

  <太田裕美

   雨だれ(ピアノ弾き語り)

   九月の雨

   恋のうた

   木綿のハンカチーフ

   さらばシベリア鉄道

  <ラスト・三人>

   翼をください(観客全員大合唱)

  <アンコール>

   夢で逢えたら

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  コンサート終了後の記念写真(太田裕美氏のTwitterから転用)

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木綿のかもめが翔んでイスタンブール(1/2)

 iPhoneのリマインダーという機能が、すっかり失念していた予定を教えてくれた。勿論、設定しておいたのは自分だが、Siriという有能な秘書をはじめ、便利な世の中になったものである。

 その予定とは「オーケストラで歌う 青春ポップスコンサート 太田裕美庄野真代渡辺真知子」なる長いタイトルの演奏会。尚、このチケットを購入したのは昨年9月の事で、クリスマスディナーショーのように開演日が限定的ならともかく、覚えていないのも無理はない。しかも私は取り立てて、ここに名を連ねた三人のファンという訳でもないのである。

 しかし三人とも一応名の通った歌手ではあるし、尚且つコンサート会場が家から近く、そしてチケット代が4,000円という安価だった事が、これに行く決め手となった。

 とは言っても、彼女達について全く何の情報も持ち合わせていない訳ではない。

  先ず太田裕美。彼女はその昔、NHKが音楽番組「ステージ101」の為に募集した「ヤング101」のメンバーで、その後「雨だれ」でソロデビュー、「木綿のハンカチーフ」の大ヒットにより一躍スターダムに躍り出た。少し舌足らずな話し方が特徴的で、実家は埼玉県春日部にある寿司屋だ。(妙に詳しい)

 彼女のアルバムは非常に丁寧に作られていて、松本隆筒美京平の鉄板コンビの他、ユーミンを始め元かぐや姫伊勢正三、イルカ、大滝詠一、宇崎竜童等が楽曲を提供、アイドルというよりもニューミュージック系のミュージシャンという印象が強い。

 渡辺真知子は、今でこそ迫力のあるオバタリアンみたいだが、かっては今よりずっとスリムで、それでいて声楽科出身らしい張りのある声の持ち主。特筆すべきは、デビュー曲「迷い道」から一貫して自作曲をシングルカットし、続く「ブルー」「かもめが翔んだ日」、化粧品のCMとタイアップした「唇よ熱く君を語れ」等を、全てヒットさせた実力の持ち主であるという事。

  そして庄野真代。残念ながらこの人については「飛んでイスタンブール」の歌手だと言う事以外知らない。しかもこの曲の歌詞「おいでイスタンブール 恨まないのがルール」や「飛んでイスタンブール 光る砂漠でロール」という部分の「韻」しか印象に残っていない。

 また、てっきり 「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね」という訳の分からないタイトルの歌も彼女かと思い、一応調べるとそれは「中原めいこ」だという。という事はきっと「東京ららばい」を歌っていた人だと考えたら、こちらは何と「中原理恵」。お陰で私はすっかり混同、混乱、困惑なのである。

 因みに本コンサートのタイトルにある「オーケストラで歌う」とは、三人の歌をN響団友オーケストラ16名が伴奏するという事。この団友は、NHK交響楽団のOBを意味している。

 還暦を過ぎ、ある意味あまり若くない歌姫達にとって、相応しい組み合わせと言えるかも知れない。と、言ったらお叱りを受けるだろうか。

 さて、いよいよ明日がコンサート当日。会場は埼玉県川口市にある川口総合文化センター「リリア」。一体如何なる事になるのやら。続きはいずれまた。

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「リリア」の外観(2020年1月撮影)

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