瞳はダイヤモンド

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 カラオケで音を外す事はよくあるが、少なくとも「方向音痴」では無いと思っていた。かって車にナビが無かった時代も、初めて行くゴルフ場にロードマップだけを頼りに迷わず辿り着いていたのだ。

 それでもいきなり「北北西(今年の恵方に進路をとれ」と言われたら、船の航海士ではないので対応は出来ない。以前、持っていると見た目カッコ良さそうな六分儀を購入しようと考えた事があったが、口の悪い東京商船大学の卒業生に「使えないから止めとけ」と言われ諦めた。

 おや、一体何の話をしているのだろうか。前回に引き続き「ダイヤモンド富士」の筈だったが。要するに何が言いたかったかと言えば、東西南北、麻雀ではなく方角くらいは把握している心算でいたのだ。

 さて、前回、私は富士山が西南西の方角に見えると書いた。そして太陽もその近くに沈むものと期待し、上手くすれば「ダイヤモンド富士」を撮影出来ると考えた。

 しかし、来る日も来る日も天候に恵まれず、殆ど諦めかけた1月29日。日没が迫る午後4時45分、あたかも執念深いストーカーの如く、ついに私は富士山の姿を捉えた。

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 ところがその瞬間、大きな勘違いをしていた事を思い知った。『富士山の側に太陽がない・・・』方角としては太陽が西南西、富士山は南西だったのである。

 最早これ以上言葉は必要ないだろう。以下の写真がその査証である。

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 気がつくと私は口ずさんでいた。♪・・・でもあふれて止まらぬ 涙はダイヤモンド ♪      

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 もしかして「ダイヤモンド富士」の写真を期待されていた方には誠に申し訳ない。