頭文字D(デブ?)

 かって私がスピード狂で中型バイク免許取得に失敗した事は前回述べた。何故スピー

ドに拘りを感じていたのか。それは速度が増せば増す程、死へと近づく恍惚感も増加し

脳内に何らかの伝達物質が分泌されるからだと思う。特にバイクやスキーは殆ど無防備

と言いてもいい程なのでよりその傾向が強い筈である。

 それはさておき、どうしても簡単にスピードを得たい私は、その動力源を四輪に求め

たのはある意味必然の事だったと言えよう。

 取敢えず車の雑誌を数冊購入し検討に入る。とにかく「走る」ことが目的だったの

で、ワゴンや4ドア・セダンは論外だ。候補として、日産フェアレディ、トヨタスープ

ラ、そして発売間もない三菱GTO。選考について書き出すと長くなるので結論から言う

と、街であまり見かけない真っ赤なGTOを買ってしまった。

 先程、「走る」ことが目的と書いたが、その走りとは主に週末、入院中の母親を見舞

う為で、土曜の早朝家を出発、首都高から東名を通って茅ヶ崎へ向かう。午前5時頃、

天気が良ければ朝焼けの街を駆け抜け、遠く富士山を望みながらのドライブ。非常に気

分爽快である。しかも私のGTOは社会的にそれ程認知されておらず、ひと度追い越し車

線に出ると、フェラーリとでも勘違いしたのか前方の車が次々と道を譲る。これはもう

行かねばならない、思わずギアを2速まで落としアクセルを踏み込む。3L V6のエンジ

ンが低い唸り声を上げながら加速し、視界が狭くなってゆくのが判る。これこそが望ん

でいた恍惚感だ。

f:id:kaze_no_katami:20180727164837j:plain

 それから30年あまりの時が流れ、その間、両親は亡くなり私は4回車を乗り換え

た。いまでは茅ヶ崎へ行く事も無くなり、制限速度を超えはしないが、相変わらず2

ドア・スポーティーカーに乗っている。

f:id:kaze_no_katami:20180727165130j:plain

 ところでこのタイトルだが、私の運転技術は未熟でドリフト走行など出来ない事を

示したものである。