令和に思ふ

 これまでに二度の改元をリアルタイムで経験した。とは言っても前回同様今回も特段何処かに出掛けたり何かをした訳では無い。ただ家に居て淡々とテレビを見て過ごしただけだ。

 以前ここで述べた通り私は天皇制を否定せず、どちらかと言えば好意的立場をとるものである。とは言いながら皇居前広場まで出かける程心酔する心算もない。

 さて、この御代替わりに於けるこれまでの一連の報道を見て、私が第一最初に思った事は、『皇后になられた雅子様の御加減は如何』、であった。特に笑みを浮かべながら車の窓を開けて手を振る姿が妙に心に残り、それを危惧したのだ。

 確か適応障害という病名だったと思う。2003年(平成15年)以降、雅子様は色々な行事を欠席されたり、それでいながら友人とレストランに出掛けてワインを飲んだ等という喧しい報道がなされた事もあった。そしてその時期は私自身がまさに精神科に通院していた頃であり、その二年前、勤務先で経営者の端くれに就任していながら、出社する事すら覚束ない最悪の状態になってしまった期間と重なっていた。

 そのような経緯もあり、誠に恐れ多い事ながら私は雅子様の状態が何となく判るように思えた。従って彼女を批判する輩は私の敵そのものであったが、とは言え私に妃殿下を庇う事など出来る筈も無かった。

 その後私は多くを失いながらも幸いなことに何とか原状復帰を果たし、今日に至っている。

 今、雅子皇后が寛解されたかどうかは知らない。恐らくそのような公式発表はないと思う。しかし最近は以前より調子がいいようにも見える。とにかく聡明な方である事はそのキャリアからも間違いないのであろうから、ご自分の体調を踏まえながら国事行為や公務他に臨まれる事を願って止まない。

 もし我々が本当に様々な多様性を認めようとするのであれば、たとえ現人神の妃とは言えど決して滅私奉公を義務付けられた存在ではない事を肝に銘じるべきと思料する。

 雅子皇后のお印はハマナス。その花言葉は「悲しくそして美しく」だという。そこには何か秘められた深い意味があるのだろうか。

 この令和が年貢の納め時になるかも知れない。多分私もそろそろ腹を括る時が来たのだろう。

 

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