「キューポラのある街」探訪

 先日、録画しておいた映画「キューポラのある街」を観た。特にこの作品が好きな訳でも、また主演した吉永小百合のファンでもないが、何故かこれまでに何度か観ている。

 とは言っても、全くご存知無い方も当然おられると思うので、この映画については以下を参照されたし。

ja.wikipedia.org

  ストーリーはほぼ覚えているので、倍速再生でサクッと見終えたところ、突然私の灰色の脳細胞が閃いた。 

 「そうだ! 映画に登場する場所へ行き、撮影当時の1960年代初頭と現在の景色を比べて見るのも面白いのではないか。我ながら実に名案、イケてる良い企画だ」などと一人悦に入って、早速身近な者にプランを話してみると、「そーゆーのって、割とよくあるんじゃない」とつれない反応。

 確かにそう言われればそんな気もするし、同じ映画でも「ローマの休日」ならともかく、ダさいたまの川口では、薄汚れた印象こそあれ、お洒落の欠片も感じられない。おっと、川口60万市民を敵に回すような発言、ご容赦願いたい。

 しかしまあ、あれこれ余計な事は考えずに、先ずは取り敢えず行ってみたのである。

 

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 これは本編中、何度も登場する荒川の土手である。そもそも、ここ川口で農閑期の副業として鋳物が盛んになった背景には、東京との境を流れるこの荒川の存在が大きい。即ち、鋳物の型の成形に使用する川砂の採取地、消費地である江戸への船による輸送ルートの二点が挙げられる。  

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 JR川口駅東口。全く変わってしまった。  

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  荒川河川敷にある「浮間ゴルフリンクス」。現在は市営の「浮間ゴルフ場」となっているが、今年の台風19号による完全冠水の為、只今復旧作業中。  

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 主人公の後ろに川口駅付近から戸田へ通じる通称「オリンピック道路*」の川口陸橋が見える。かっての商店街の面影は今はもう無い。(* ここでいうオリンピックとは勿論、1964年の東京大会の事である)

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 川口陸橋から川口駅西口への道。現在は公園が出来ている。  

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 川口駅西口付近。何となくどこの駅も東口の方がメインになっているような気がするが。

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 主人公とその弟が、在日朝鮮人の帰還事業で北朝鮮に帰る友人を川口陸橋から見送るシーン。現在この場所には高いフェンスが設置されている。(飛び降り自殺があったらしい) 

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 昔、サッポロビール工場があった場所。現在はアリオ川口という大型ショッピングモールになっている。  

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 映画のラストシーン、川口陸橋上。

 以上、非常に簡単ではあるが「キューポラのある街」の今昔を、映像と自分で撮影した写真で対比してみた。

 いつもの事とはいえ、タイトル負けの感は否めないながらも、私自身、この企画は悪くはないと思うし、やってみてそれなりに面白かった。読者諸氏に於かれては如何だろうか。次回がもしあるとしたら「ALWAYS 三丁目の夕日」あたりが有力候補になり得ると考えているが、今の所それに着手する心算は毛頭ない。

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