紀行

正月の想い出(その1)

松が明け、続いて「成人の日」も終わり、世の中はまた通常モードに戻ってゆく。コロナ禍は衰える気配を見せないが、昨年末から三年振りに行動制限が緩和された為、帰省や旅行した人の総数は前年度の約二倍になったそうだ。 かく言う私は昨年春以降、相次いだ…

このソバらしい世界 ~江戸の三味~

先週の「好きな公園」に続き、今週のお題は何の捻りも無く「好きな街」との事。ここで「ニューヨーク」とか「ロンドン」「パリ」と言ってみたら、さぞや恰好良いだろうと考えたが、如何せん何処も、たった一度行ったきりで、好き嫌いを判断する程の経験を持…

ウィ・スキー(WE SKI)

スキーについて書こうと思いつき、あれこれ考えていたら、以前にも同じ事を書いたような気がしてきた。 早速、調べてみると3年前の記事を発見。またしても手抜きではあるが、せっかくなので若干リライトし再掲することとした。 「白銀は招くよ」(2019…

煙草からの卒業

今週のお題「〇〇からの卒業」に因んで。 先日、抜けるような青空に誘われ、特に行くあても無く車を走らせた。もとより遠出する心算は無かったが、暫く振りに眺める街並みに新しい建物が出来ていたりして、それはそれで新鮮である。 ふと、交差点の角に、制…

霊峰を撮る

相変わらずタイトルは大仰だが、要は「富士山」の写真を撮りに行って来ただけの話である。それも麓の山梨県や静岡県まで出掛けたり、近隣の絶景スポットを探した訳でもない。取敢えず最寄りの「富士山」が見える場所、「荒川土手」から撮影しようと考えたの…

日本橋の空

『日本橋』と言っても大阪にある電気街の話ではない。字は同じだが読み方が微妙に異なり、大阪の「にっぽんばし」に対し、こちらは「にほんばし」で所在地は東京都中央区日本橋である。 この橋は1603年(慶長8年)、江戸幕府創設と同時期に初代が架橋さ…

シンクロニシティ(初回投稿2020年1月17日)

あの日から26年の歳月が流れた。それは即ち、日本の人口の凡そ2割が「阪神・淡路大震災」をリアルタイムで知らない事を意味する。だが別に不思議な事ではない。私達の大部分もまた、1923年(大正12年)に起きた「関東大震災」を知らないのだから。 …

日光2020

毎年この時期になると必ず日光へ紅葉狩りに出掛けている。昨年、一度目は東北自動車道が濃霧の為通行止めとなり途中で断念、日を改めて漸く辿り着いた事を思い出した。 kaze-no-katami.hatenablog.jp しかし今年は矢張り新型コロナウイルスの感染が怖いし、…

ハーフは嫌(Half a year)

そろそろブログを更新するタイミングかと思いつつ、いつものように全くやる気が出ない。そこで「はてなブログ」の「今週のお題」を覗くと「2020年上半期」の文字。どうやらこの半年間を振り返ってみようという企画らしい。 と、その時突然、楽する事ばかり考…

おうち時間で激レア体験「266秒 欧州の旅」

新型コロナウイルス禍の影響で温室効果ガスの排出量が大幅に減少し、大気汚染が改善されているらしい。まさか今回のパンデミックが地球の自浄作用ではあるまいが、グレた不登校の少女はこの現実を如何に受け止めているのだろうか。 そして私は、そのキレイに…

桜前線異常なし

唐土を発した疫病が如何に猛威を振るおうと、時は流れ季節は廻り来る。枝木に萌える鮮やかな新緑、頬にそよぐ柔和な風、窓辺に咲いた薫衣草の香り。移ろい行く景色の彩りを、君は今誰と見ているのだろう。 なんちゃって。柄にもない書き出しで始めてみたが、…

安行寒桜 (その4)北浅羽桜堤公園

寒の戻りがあったせいで少し遅れたようだが、いよいよ本格的な桜の季節の到来である。 とは言っても新型コロナウイルス(COVID-19)の猛威の前に「お花見」どころの話では無い。数多の桜の名所のイベントやライトアップも中止になってしまい、感染対策として…

安行寒桜 (その3)

このブログを見た友人から「君がそんなに桜を好きだったとは知りませんでした」と連絡があった。確かに自分でも今回の「安行寒桜(アンギョウカンザクラ)」を巡る彷徨を、ここまで引き摺る事になろうとは思いも寄らない展開である。 考えてみれば、物心がつ…

安行寒桜 (その2)

「海寿山 満福寺 密蔵院」は日本史の時代区分に於いて室町時代にあたる1469年に中興された、御朱印十一石を有する真言宗智山派の古刹である。このように書くと、あたかも仏教について造詣が深いと思われるかも知れないが、自慢ではないがその方面の知識…

安行寒桜 (その1)

このところ彼方此方で「河津桜」の写真を目にするようになった。この桜は「オオシマザクラ」と「カンヒサクラ(ヒカンサクラ)」の自然交配種であり、静岡県賀茂郡河津町にて発見された事からこの名が付けられたとの由。花弁の紅色が一般的な「ソメイヨシノ…

シンクロニシティ

先ず最初に。このタイトルを見て、大集団女性アイドルの歌についての記述だと思った方、申し訳ない。そうではないので悪しからず。 さて1995年1月、未だお屠蘇気分が抜けない内に、私は初めてインドネシア共和国へ向かった。目的は観光ではなく、旧通産…

「キューポラのある街」探訪

先日、録画しておいた映画「キューポラのある街」を観た。特にこの作品が好きな訳でも、また主演した吉永小百合のファンでもないが、何故かこれまでに何度か観ている。 とは言っても全くご存知無い方も当然おられると思うので、この映画については以下を参照…

失われたもの

1ヶ月前の10月31日、沖縄県那覇市にある首里城が焼け落ちた。早朝のニュース速報を見た時点では、既に消防も活動を開始しているようだったので、ここまで悲惨な状況になるとは想像もつかなかった。 琉球王の居城であった首里城は、1945年、太平洋戦…

スマホの脅威

政府広報によれば運転中の「ながらスマホ」が、来月から厳罰化されるようになるらしい。大変いいと言うよりも、当然の事だと思う。 www.gov-online.go.jp 運転中、どんなに前を凝視していたとしても、見えない相手と会話をすると、その内容に伴って、別の映…

まだまだ紅葉狩り

今月6日、奥日光まで紅葉狩りに出掛けた。しかし樹々の色づきは今一つ。満たされない想いを抱いたままでは、精神衛生上良くないと考え、次なるターゲットを物色していた。 15日をもって来春まで閉山する上高地や、伝承の巨人「ダイダラボッチ」が盛り土し…

SOLO LIVE 2019 ~元気であれば~ (後編)

11月16日、週末の川崎駅はカジュアルな装いの若者で賑わっていた。2階にある改札口から自由通路を5分程歩くと、川崎ラゾーナプラザのエリアに入る。ここは以前東芝の本社があった場所を、三井不動産が仮名「ららぽーと川崎」として開発した5階建ての…

水の都

イタリアのベネチアが1m87cm の高潮に見舞われて、市内の8割が浸水しているとの事である。主たる原因は大雨の影響でアドリア海の水位が上昇、他に地下水汲み上げによる地盤沈下やお馴染み地球温暖化もあるらしい。 元来、潟の上に出来た都市であり、これ…

笑顔にはかなわない

東京が雲ひとつない快晴に恵まれた11月10日、約12万人の老若男女が沿道に詰めかけたという「祝賀御列の儀」を、私は自宅のテレビで視聴した。 穏やかな晩秋の陽射しを浴び凡そ30分の道程。髪に飾られたティアラの輝きにも増して、皇后陛下の晴れやか…

日光2019

先月30日、紅葉を見に日光へ向かった私が、濃霧によって行く手を阻まれ断念した事は既に述べた。 それでも一旦決めた事を、そのまま放棄するのは決して本意ではなく、まして紅葉となれば、まるで期間限定のハーゲンダッツのように、食べ損なうと次のチャン…

紅葉狩り

例年この時期になると、紅葉狩りに出掛けている。行き先はいつも栃木県日光。幾分飽きてはいるが、高速道路を使えば略半日で往復可能な圏内にあり、いろは坂では頭文字Dも楽しめる(嘘です、そんな事をしたら間違いなく死にます!)。唯一の難点と言えば、車…

一番大切な写真

これまで何度かこのブログに自分で撮った写真を、如何にも自信ありげに投稿した。では写真が趣味かと言うと特段そういう訳でも無く、知識、技術、機材等ことごとく素人の域を脱していないし、そんな事は言われなくても充分自覚している。 それでも出来るなら…

韓国1995(2/2)

韓国の話を続ける。 3. 冷たい店員 研修中の食事は幾分キムチの臭いに閉口したものの、基本的には何でも食べられる体質が幸いし事なきを得た。ただ気になったのはレストランの店員がどうも冷淡というか、殆ど愛想が無いことである。 別にこちらが「私は客だ…

韓国1995(1/2)

日本と韓国にまつわる一連の報道を、一切の偏見を排して見て来た心算だが、個人的にはどうしても韓国を擁護する気にはなれない。それどころか頼山陽が引用した「遺恨十年磨一剣」の心境と言ってもいい。 それはかの国が言うところの「歴史認識」が、あまりに…