今年の5月から6月にかけて、私は「青春浪漫 告別演奏会顛末記」なる小説のような雑文を連載して、自ら己の文才の無さを白日の下に晒し「拙文王」の名を不動のものにした。
実は自分でも忘れていたのだが、その第5回には次のような記述があった。
『・・・ムーはヒナコとかいう1組の女子と一緒にやるとのことであった。 このムーとヒナコ(HIM)二人と、アグリー、クマの四人はグループを組んで、その7か月後、世田谷区民会館のステージ立つことになるが、この物語ではそれには触れない・・・』
これは所謂「続編」もある事を臭わせた心算だったのか。しかしその時は多分、具体的な計画などは無くただ漠とした布石に過ぎなかったと思う。
それでも、時の流れを止める事は出来ない。たとえ物語の中でも登場人物達は歳を重ねている筈である。私は時計の針を進め、彼等のその後を見届ける義務があるのではないか。そんな気がして来たのだ。(かなり都合のいい思い込みである)
その為にはどうすればいいのか。そう、この『7か月後』について書けばいいのだ。そうすれば、あの懐かしいクマやアグリー、そしてナッパといった面々にまた会うことが出来る。
カビが生えたような代わり映えのしない拙文であろうと全く構わない。何故ならこれは私以外誰も知らない物語なのだから。
という訳で、またしても長編を連載しようと大それた事を思いついてしまった。タイトルは「続 青春浪漫告別演奏会顛末記~ただその40分間の為だけに」。
季節は「読書の秋」、是非「夜長月」のお供に加えて頂ければ、これほど喜ばしい事はない。
とは言ったものの、果たして上手くいくか一抹どころか大いなる不安を抱かざるを得ない。しかし賽は投げられ、私は既にルビコン川を渡ってしまった。
願わくば情深い読者諸氏の暖かい励ましを賜らんことを。