てふてふの想ひ出

 蝉の声が次第に小さくなって来た今日この頃、今度は花から花へとさかんに飛び回る蝶の姿が目につく。

 しかし、蝶と言えば何となく春の風物詩のような気がする。現に俳句の季語は間違いなく春である。唯、一年を通じてその姿を見られることから、それぞれ「夏の蝶」「秋の蝶」等とする事で、春以外の季語としても使用出来るという。

 ならば何故、春の印象が強いのか。私は童謡の「蝶々」の歌詞がその一因ではないかと睨んでいる。曰く

 蝶々 蝶々 菜の葉にとまれ

 菜の葉が飽いたら 桜にとまれ

 桜の花の 花から花へ

 とまれよ遊べ

 遊べよとまれ

 ご覧の通り「菜の葉」(花ではなく葉の方)と「桜」は春を代表する草木であり、このような歌を幼い頃から意味も解らず歌わされたら、否が応でも蝶=春と洗脳されるのではないだろうか。

 だが実際のところ桜にとまっているのは蜂や虻、または野鳥のメジロヒヨドリであり、決して蝶ではない。尤もこのように歌と現実が異なる例は他にもあって、「夏が来れば水芭蕉が咲いている尾瀬を思い出す」と歌う曲もあるが、それを信じて夏に出掛けると水芭蕉は既に枯れた後なのである。

 ところで読者諸氏は蝶の寿命についてご存じだろうか。我が国に於いても300種を越える蝶がいるそうなので一概には言えないが、例えばアゲハ蝶は春から秋にかけて何と3乃至4回、世代替わりをするらしい。

 とすると大雑把に言えば、平均的な蝶の寿命は、卵=5日、幼虫=20日、サナギ=10日、成虫=8日、合計43日となる。

 蝉が3年以上も土の中で過ごし、成虫として飛び回るのがせいぜい1ヶ月という事から、彼らの短い夏を哀れんだものだが、蝶の一生に比べれば随分長いではないか。

 さて、前置きが長くなってしまった。今回は今まで撮り貯めた蝶の写真を紹介したい。

【モンシロチョウ】

          

【キチョウ】

          

【アカボシゴマダラ】

          

ナミアゲハ

          

【アオスジアゲハ】

          

【アゲハチョウ】

          

ヒメアカタテハ

          

ナガサキアゲハ

          

ジャコウアゲハ

          

オオゴマダラ     

          

ヤマトシジミ

          

 

      

 その後、調べた結果、桜にとまる蝶がいる事が判明した。どうやら【ギフチョウ】や【スジグロシロチョウ】等数種類に限られるとのこと。