ニュース等ではあまり報じられていないが、昨年9月にオーストラリア各地で発生した森林火災が未だに鎮火せず、それどころか更に被害が拡大しているらしい。
オーストラリア森林火災 被害拡大のおそれ 救助・消火活動強化 | NHKニュース https://t.co/126VQvuL76
— OM-42PS (@katamiwake) 2020年1月5日
この火災は、例年10月から3月の間の高温と乾燥に因って、テルペンという引火性物質を代謝するユーカリの葉が自然発火するという、オーストラリア特有の気候メカニズムから発生し、ある意味では毎年恒例、日常茶飯事なのだという。
しかし乍ら今回に限っては何時にも増して激しいようだ。これをただ単に「地球温暖化のせい」で片付けてしまうのは簡単だが、もう少し詳しくその原因を知る為には以下の説明が解り易い。
BBCニュース - 森林火災続くオーストラリア BBC気象予報士が要因解説 https://t.co/jgH0BDmE3x
— OM-42PS (@katamiwake) 2020年1月5日
尚、「インド洋ダイポール現象」についてはこちら。
当該現象を強めた要因として「地球温暖化」が係わっている可能性は否めないが、何れにしてもこの火災により、これまでに525万ha(なんと四国の面積の約3倍に相当)を消失、23名が死亡し、数千人が避難を余儀なくされている。
そして被害はこれだけに止まらず、カンガルーやコアラといったお馴染みの動物も大量焼死、コアラに至っては絶滅の危機と警鐘を鳴らす学者までいる程だ。
ネット上には動物達の水をねだる愛らしい写真が溢れ、ともすればついつい「何としても助けなければ」と感情的になりがちだが、ここは冷静に「カワイイ」から大切なのではなく、それが現在豪州にしか生息しない希少な有袋類だからだと考えたい。
さて、ここからはいつもの殆ど何の役にも立たない私見である。
ご高承の通りオーストラリアは今や環境問題で悪名高い化石燃料「石炭」の産出量において世界第5位であるが、現オーストラリア政府は「地球温暖化」に否定的で更なる炭鉱開発を目指し、今回の災害はそれを選んだ国民の自業自得だと冷めた目で見る向きもある。
片や世界第4位の石炭消費国である我が国にとって、オーストラリアは輸入先第1位、実に約63%も依存しているのも事実である。
今後オーストラリアでは2月頃まで降雨が見込まれず、ニューキャッスルやヘイポイントといった石炭積出港が集中するNSW州の火災の被害が拡大し「フォースマジュール」でもディクレアしょうようものなら、日本の石炭火力発電所の稼働さえも危うくなるかも知れない。
何はともあれ一日も早い鎮火が望まれるところである。
尚、今回は、地球温暖化について語る意図は無く、また 偽善的に思えるので寄付の呼び掛けはしないが、一応オーストラリア赤十字等が受け付けている事だけ申し添える。
Disaster Relief and Recovery | Australian Red Cross