取り敢えず鳥を撮る

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 カメラを首からぶら下げ、散歩するようになって彼是3年が過ぎた。主な被写体は「季節の花」で、これまで撮った枚数は数え切れないが、相変わらず撮影そのものは全く上達しない。

 所持する機材もごく一般的な代物で、しかも取説を読まない主義が災いし、未だに機能や使い方がよく解っていない。それでも美しい花は綺麗に写したいし、切り取る画面はバランスの良い構図であって欲しいという図々しい性格なのである。

 歩きながら、咲いている花はないかと左右をキョロキョロ見回していると、鳥の鳴き声が聞こえてくる。しかしどこにいるのか判らない。

 野鳥の撮影は非常に難しい。先ず鳥と遭遇する必要がある。運よく見つけても距離があったり枝に隠れていたりする。しかも生き物なのでじっとしていない。時折バズーカ砲みたいなカメラを三脚に据え、コーヒーを飲みながら獲物が現れるのを待っている御仁を見かけるが、流石にそこまでやる気力も財力も持ち合わせていない。

 出来れば偶然チャンスが訪れ、傑作が撮れないものか等と調子のいい事ばかり考えている。唯、カラスやハト、スズメでは、あまり食指は動かない。特にカラスは昨年の夏、ベンチで休んでいたところフンをかけられて、それが未だに虎馬になっている。

 そんな中、よく見かけるのはヒヨドリ。だが色がどうも汚らしい。

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 その点、ハクセキレイは見た目も良く、ある程度近づいても逃げない。しかしやはりこればかりでは飽きる。

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 偶にツグミの姿を見るが、高い木の枝にとまっている事が多く、撮影は容易ではない。

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 すると、遠くからバタバタと大きな羽音が近づいて来た。音はするが姿は見えない。やがて耳をつんざくような爆音と共に陸上自衛隊UH-60が現れた。

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 冗談はさておき、つい先日の寒い朝、特にあてもなく歩いていた。そこは昨年の秋、カワセミがいた場所である。すると遠くに小さな鳥らしきカラフルな影が見えた。「すわ、カワセミか」ファインダーを凝視するが、如何せん遠すぎて確認出来ない。とにかくAFでシャッターを切る。

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 後で見直してモズである事が判明、但し70-300mmのズームレンズではこれが限界である。500mm以上の超望遠を欲しいがハッキリ言って高額だ。どうするアイフル(古い)。そして私の脳裏では、あの言葉が、挑発するかのように響いていた。

 『飛ばねぇ豚はただの豚だ』  

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