スマホの脅威

 政府広報によれば運転中の「ながらスマホ」が、来月から厳罰化されるようになるらしい。大変いいと言うよりも、当然の事だと思う。

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 運転中、どんなに前を凝視していたとしても、見えない相手と会話をすると、その内容に伴って、別の映像が浮かんでくるような錯覚に捉われる事がある。 かっての携帯電話の時代でもそうであったのだから、スマホの場合は完全に前方から目が離れてしまい、これほど危険な事はない。歩きスマホをしている者が、全くよけないのを見ればよく判る筈だ。

 少なくとも運転免許を所持しているのであれば、何が危険か位は判ると思うが、実際、「ながらスマホ」をしているドライバーを目撃する事がしばしばある。

 では、厳罰化をすれば問題は解決するのか。一概にそうとは言えないのではないかと思う。何故なら根本的原因は、運転中でさえ見たくなるという、異常とも思えるスマホへの依存性であると考えられるからだ。

 とにかく今や何処へ行っても先ずスマホなのである。例えば電車に乗って直ぐスマホを取り出す。人と会話をする時でさえ必ず傍らにスマホを置く。果ては映画館で上映中にスマホを操作、その明かりが問題化しているという話まで聞く。

 特にミレニアム世代は、映画を2時間ずっと見続けていられない、それどころか一つの事に対する集中力は、5分間しか持たないという説もあるらしい。恐らく彼等にとってスマホは、もはや腕の一部になったとさえ言えるかも知れない。そう考えれば全て納得がいく。

  ところで、スマホがもたらす弊害は、多方面にわたって取り沙汰されている。目や姿勢など身体的な部分にダメージを与える。また脳に影響し、前述した集中力欠如の他、学力低下、記憶喪失、生活破綻等々、指摘されている危険性や問題点は枚挙に暇がない。

 おまけにスマホのプラットホームに準拠したSNSが、犯罪の温床にさえなったりもする。このところ「家出したい」という呟きから、誘拐事件にまで発展した事例が幾つか報じられたばかりである。

 心身共に不健全、危険で、挙句に金もかかる、それなのに止められない。これではまるで麻薬と同じではないか。

 しかしながら弁護する訳ではないが、全てがスマホのせいとは言えないだろう。スマホ利用者全員が依存症になった訳ではないし、SNS登録者全てが犯罪を犯すという事もありえない。かってテレビが人間の想像力や思考力を低下させ、一億人総白痴化を招くと言われた事もあった。何人かは本当にそうなったかも知れないが、何となくそれに似ているような気がする。

 勿論、スマホの多機能には目を見張るものがあり、これさえあれば財布はいらず、ゲームも出来るし、電車はおろか飛行機にだって乗れて、知らない場所まで案内もしてくれる。勿論情報の伝達や共有がリアルタイムで可能、しかもそれは文字より遥かにインパクトがある、写真や映像を使用出来るのである。これこそが少し前に言われたユビキタス社会なのかと思う位だ。

 さて、かく言う私自身も、既にスマホが無ければ少し困った状況になってしまう生活を送っている。ただ最近、加齢のせいもあると思うが、視力が急激に低下しているのも事実である。

  ♪ 街の明かりがとても綺麗ねヨコハマ~ ♪ などのブルーライトではなく、目に悪いとされている青色光が原因に違いない。 

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