和泉宏隆氏を偲ぶ

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 先月28日、何気なく眺めていたニュースの見出しに私の目は釘付けとなり、驚きと共に言い知れぬ喪失感が心を突き抜けた。

 

 「和泉宏隆さん、急性心不全で死去。62歳」

 

 恐らくご存知ない方もおられると思うので一応ウィキペディアを。

 キーボード奏者で作曲家、かって我が国屈指のフュージョン・バンド、T-スクウェアに16年間在籍し、卓越した演奏を我々に聴かせてくれた。

 私は特に彼が作った楽曲が好きで、ソロになってからもCDを購入していたが、理由は唯一つ、バラードは勿論、リズミカルなナンバーでも「常にメロディアス」である、という事に尽きる。

 先ずはその代表的な作品として、私が一番好きなこの曲を紹介したい。 


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  ところで、そもそも私が和泉宏隆氏を知ったのは、性懲りもなく社会人になってから「MISTRAL」なるバンドを組んだ際、アンサンブルの練習の為、T-スクウェアの曲を選んだ事に始まる。

 当時、日本のフュージョン・シーンには他に「カシオペア」という人気グループもいたが、我バンドのキーボード担当者の「どうも向谷は好きになれない」との一言でスクウェアに決定。

 その時の様子がこれ。曲は和泉氏作の「OMENS OF LOVE」。レンタル・スタジオでラジカセ1発録り。 尚、ど下手なギターを弾いているのが私。(まあ、練習だから)

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 その後このバンドは自然消滅し、私は独りでコンピュータ相手に音楽と接するようになったが、スクウェアのバンド譜を眺めて学んだ事は後々アレンジの参考となり、旋律に関しては和泉氏の曲が一つの目標になっていた。

 「何とか人の心の琴線に触れるような、そんなメロディーを持つバラードを作れないものか」そう考えて出来上がったのが次の曲である。

 勿論、曲のセンスやピアノのテクニックは到底「本家」には及びもつかない。それでも自分なりに心血を注いだ心算だ。是非2コーラス目、渾身のピアノ・フレーズに耳を傾けて頂きたい。

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 それにしても、62歳と言えば未だ々これからという年齢である。「誰にでも明日が来ない今日がある」とは言え、存命であればこの先、生み出されたであろう美しい旋律を思えば、これはもう無念としか言いようがない・・・合掌。

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