毎週土曜はワインの日

f:id:kaze_no_katami:20210613191448j:plain

 今回のタイトルにある「ワインの日」、別にそのような記念日や行事が制定されている訳ではなく、私が勝手にそう決めただけの話である。

 コロナ禍の生活も凡そ1年半が経過。以前は月に一度の土曜日は、ちょっとオサレな夕食を外で頂く事が多かったが、外食の頻度は激減。何と昨年は僅か3回、今年に至っては皆無である。良さげな店を調べ出掛けようと思った矢先、緊急事態宣言の発令や延長の為、断念せざるを得なくなるからだ。

 それでも一人で、然るべく感染予防の対策がなされた店へ行く分には問題は無さそうである。なのに躊躇してしまう。気にし過ぎだと笑われる事もしばしばだが、この臆病な姿勢がウイルスから命を守ってくれるのだと信じたい。

 尤も、考えてみれば高級食材を使った一流シェフの料理でも、いわゆる「ボッチ飯」では今一つ詰まらない。やはり気心の知れた仲間と酒を酌み交わして会話を楽しみつつ、舌鼓を打つ方が美味しいに決まっている。

 ここで大切なのは何と言っても食前、食間、食後の酒の存在だ。下戸な方には甚だ失礼ながら、食事を楽しむ為に適度な量のアルコールは必須だと考えるが如何だろう。

 尚、私は決して中毒でも依存症でもない(と思う)が、酒は嫌いではないし、むしろ好きだと言った方が正しいかも知れない。但し、人からは綺麗な飲み方だと言われている事を念の為申し添える。

 普段は専らビールを嗜む。出来れば缶や瓶よりも生の方がイイ。残念ながら今のところ自宅では無理だが、それでもその気になれば500mlを軽く5缶は空ける。当然、飲み過ぎなので歯を食いしばって1缶で我慢している。

 それが土曜日にはすっかり染着いた習慣からか、大抵ビールを1缶飲んだ後ワインを開ける。勿論ビールばかりでは満腹になるせいもある。以前は「ポリフェノールがぁ」などとシタリ顔で赤ワインばかり飲んでいたが、ここ数年は和食、洋食共に合う「白」時折り「泡」が主流だ。

 ところで「日本のワインは白は冷え過ぎ赤はぬる過ぎ」という言葉を耳にする。「白ワインは冷やし赤ワインは常温で」なる教えを忠実に守った結果、片や冷蔵庫でキンキンに、もう一方は季節を問わず部屋に放置するようになってしまったのだろう。しかし、いくら常温といっても冷暗所ならいざ知らず、猛暑の室内は勘弁して欲しい。

 と、さもワインに蘊蓄があるような事を書いているが、実際ところ何も知らない。エチケットを見ても判るのはせいぜい産地名くらいで、しかもその土地で育つ葡萄の品種、特徴などの知識は全く無く、覚える気もない。

 とは言え、ワインを美味しく飲む為には、それなりの料理が必要である事に違いはないだろう。私は取り立ててグルメではないが、どうせならそこそこの店へ行きたい主義だ。

 そういう訳であるから、現在、飲食店で酒類の提供を受けられない事は致命的だ。フレンチにしろ鮨せよ、アルコール抜きでどうやって食べればいいのだろう。

 そこで折角のワインの日には、仕方なく簡単な料理を自分で作ったりもするようになった。

 今回は、見かけも味もイマイチながら、強いて三ツ星レストラン「ジョエル・ロブション」風に名付けるとするならば「チリ産サーモンのバターソテー ホワイトソース掛け 旬の枇杷を添えて」ってとこか。 

     f:id:kaze_no_katami:20210613075129j:plain