季節の花(令和三年六月2 )

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 従前の予報とは異なり、関東地方の梅雨入りは平年より遅れるらしい。それでも見上げる六月の空は、今にも泣きだしそうに灰色雲が低く立ち込め、辺りを漂う空気は重く湿っている。

 先日、知人が新型コロナウイルスに因って肺炎を発症、亡くなった。胆石で入院した際、院内感染したらしく、ICUで10日間持ち堪えたが、ついに力尽きたという。葬儀には参列しなかった。

 連日、コロナ感染者数と死亡者数が報道される。いつからかそれを聞いても、さほど驚かなくなってしまった。

 しかし、その値は決して無機質な数字などではない。泣いたり笑ったり、考えたり話したりしていた、血の通った人間が突然この世からいなくなっているのだ。

 予て私は、自分の年齢が平均寿命の半分を過ぎた頃、これから訪れるであろう「老い」を思い浮かべながら「REST OF LIFE」という曲を書いた。

 今回はこの曲に「季節の花」を添え、死んでいった者たちへのレクイエム、と言っては、あまりにも尊大でおこがましい。ほんのささやかな墓碑銘としたい。

 尚、花名の右のカッコ内は「花言葉」である。

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