ソバにいてくれるだけでいい

 前々回、天ぷら屋に行った記事を書いた際、「江戸の三味(鮨、蕎麦、天麩羅)」について少し触れた。今回はそれを更に掘り下げてみようと思い、その為には先ず改めて食べる必要があると考えた。

 などと、いかにも尤もらしい動機付けを捻り出してみたものの、要はまた食事に出かける事への言い逃れに過ぎないのは明白である。

 何はともあれ、今回は残る二味の内、ひと月前、せっかく店まで出向きながら、不覚にも食べ損なった「蕎麦」に決めた。

 場所はお馴染み日本橋室町。この界隈で有名な蕎麦屋と言えば、「室町砂場」か「利休庵」と相場は決まっているが、私はいつも美人女将が待つ「紅葉川」一択。

 善は急げ、早速行ってみよう。

【先ずはビールから。お通しは「しらすおろし」】

          

【続いて、この店の定番メニュー「鴨焼」と「鴨のたたき」】

          

【焦げた醬油が香ばしい「帆立の磯辺焼き」】

          

【左から「じゃこ天炒め」「玉子焼き」「カリカリ・チーズ揚げ」】

          

 美味い肴についつい酒が進む。因みにこの日は白ワインを頂いたが、そうこうしているうちに、すっかりイイ気持ちになり、気が付くと既に満腹状態。

 結局、またしても肝心な蕎麦を食べ損なってしまった。しかし、とにかく店に行くだけは行ったし、女将にも会う事が出来たので良しとしよう。

 残るは後ひとつ、「鮨」のみ。乗り掛かった舟、もう行くしかないだろう。