季節の歌

 これまで「季節の花」と題し、私が撮影した草花の写真をスライドショーにしてご覧頂いてきた。今回は趣向を変え夏に関連した歌を2曲ご紹介したい。

 1曲目は夏の盛りに向かって海に行きたい若い女性の気持ちを歌っており、2曲目は夏と共に終わりを告げる恋を思い出す大人の男性を歌にした。

 恐らく殆どの人が2曲ともご存じないと思う。何故ならばどちらも随分前に私が作ったからである(あっ、今このページを閉じようとしたあなた。もう少しお付き合いを)。 

 さて「下手の横好き」という言葉がある。私は中学1年の時、ギターを買って貰ってからというものドップリ音楽に浸り込み、その割には演奏も歌も全く上達しなかった。

 かくなる上は自分で歌詞、メロディーを作り、編曲してカラオケまで録音してしまおうと考え、必要な機材を揃えた。

 当時、パソコンは未だ普及しておらず、我が家のラインナップはヤマハシーケンサー、リズムマシーン、音源(FB-01)と以前から使っていた4tr/4ch のオープンデッキ。買ってから気づいたのだがシーケンサーの容量が小さく沢山の音を記録すると、パンクしてしまう。それでも自動演奏は画期的であった。

 同じ頃、私はバンドを組んでおり、カラオケが上手いと言われている女の子を連れてきて、我々がバックで演奏し彼女が歌うという企画を考え、早速1曲作ってデモテープを全員に配布した。

 果たしてスタジオでの練習日、あろうことか彼女は全く歌を覚えておらず、私の努力は徒労に終わった(もしかしたら曲が気に入らなかったのかも知れない)。結局残されたのはこのデモテープだけだった。

 当時私は、もっと都会的でハイセンスな曲は出来ないものだろうかと考えていた。そこで思いついたのは、先ず使用する音色はエレクトリック・ピアノ、フレットレス・ベース、アルトサックス。リズムには独特のアクセントを付け、歌詞にはそれとなくカタカナを挿入する。FB-01のEピアノの音はショボいので、MIDI端子の無いヤマハクラビノーバを手弾きにし、入手したばかりのEギター用デジタル・ディレイをボーカルにかけてしまうという念の入れようである。

 「細工は流々仕上げを御覧じろ」そんな風に思っていた。ところが出来上がってみると今一つ感心しない。やはりメロディーがつまらないのか・・・。否、歌が下手なのだ。上手い人が歌えば、必ずや名曲に聞こえるに違いない。

 さて、どなたか歌唱力に自信のある方、ご連絡をお待ちする。