大型で強い台風14号が列島各地に爪痕を残して過ぎ去ると、暑かった夏の残り香は、何一つ想い出を残さずに荒れ狂う嵐の中へ消えてしまった。
しかも翌朝カーテンを開くと、そこにあるのは見慣れた台風一過の青空ではなく、それを覆い、今にも降り出しそうに低く垂れ込め流れる灰色の雲だけだ。
『まったく、何て事だ。塵も埃も汚染物質も吹き飛ばされた、あの青空も見られなくなったのか』
だが、変わった事と言えば他にもある。台風の発生場所だ。かっては赤道付近というのが常識であったが、最近は熱帯低気圧のままジワジワと北上を続け、日本に近づくにつれて勢力を増し、台風になった途端、上陸というパターンが増えてきた。(因みにここで台風とは風速約17m以上の熱帯低気圧をいう)
14号に続き日本に影響を与えた台風15号が正にその典型だった。上陸こそしなかったものの台風になるや否や、近畿から東海、特に静岡県に記録的な豪雨をもたらした。
このような現象は、日本近海の海水温度が上昇している事を意味する。そしてその原因として海流(黒潮)の変化、大陸内部の気温変化が挙げられるという。
環境の変化は、秋刀魚の漁獲量が年々減少するように、季節を彩る草花も時期や生息地を変え、やがては絶滅させてしまうのかも知れない。
それでもすべてを地球温暖化のせいには出来ないかも知れない。
さて、今回の「季節の花」も諸般の事情により一年前に作ったものである。既に見て頂いた方も、今回初めての方も、ご覧下されば幸甚である。
【カタカナは花の名( )内は花言葉】【動画は出来ればフルスクリーンの最高画質で】