木綿のかもめが翔んでイスタンブール(1/2)

 iPhoneのリマインダーという機能が、すっかり失念していた予定を教えてくれた。勿論、設定しておいたのは自分だが、Siriという有能な秘書をはじめ、便利な世の中になったものである。

 その予定とは「オーケストラで歌う 青春ポップスコンサート 太田裕美庄野真代渡辺真知子」なる長いタイトルの演奏会。尚、このチケットを購入したのは昨年9月の事で、クリスマスディナーショーのように開演日が限定的ならともかく、覚えていないのも無理はない。しかも私は取り立てて、ここに名を連ねた三人のファンという訳でもないのである。

 しかし三人とも一応名の通った歌手ではあるし、尚且つコンサート会場が家から近く、そしてチケット代が4,000円という安価だった事が、これに行く決め手となった。

 とは言っても、彼女達について全く何の情報も持ち合わせていない訳ではない。

  先ず太田裕美。彼女はその昔、NHKが音楽番組「ステージ101」の為に募集した「ヤング101」のメンバーで、その後「雨だれ」でソロデビュー、「木綿のハンカチーフ」の大ヒットにより一躍スターダムに躍り出た。少し舌足らずな話し方が特徴的で、実家は埼玉県春日部にある寿司屋だ。(妙に詳しい)

 彼女のアルバムは非常に丁寧に作られていて、松本隆筒美京平の鉄板コンビの他、ユーミンを始め元かぐや姫伊勢正三、イルカ、大滝詠一、宇崎竜童等が楽曲を提供、アイドルというよりもニューミュージック系のミュージシャンという印象が強い。

 渡辺真知子は、今でこそ迫力のあるオバタリアンみたいだが、かっては今よりずっとスリムで、それでいて声楽科出身らしい張りのある声の持ち主。特筆すべきは、デビュー曲「迷い道」から一貫して自作曲をシングルカットし、続く「ブルー」「かもめが翔んだ日」、化粧品のCMとタイアップした「唇よ熱く君を語れ」等を、全てヒットさせた実力の持ち主であるという事。

  そして庄野真代。残念ながらこの人については「飛んでイスタンブール」の歌手だと言う事以外知らない。しかもこの曲の歌詞「おいでイスタンブール 恨まないのがルール」や「飛んでイスタンブール 光る砂漠でロール」という部分の「韻」しか印象に残っていない。

 また、てっきり 「君たちキウイ・パパイヤ・マンゴーだね」という訳の分からないタイトルの歌も彼女かと思い、一応調べるとそれは「中原めいこ」だという。という事はきっと「東京ららばい」を歌っていた人だと考えたら、こちらは何と「中原理恵」。お陰で私はすっかり混同、混乱、困惑なのである。

 因みに本コンサートのタイトルにある「オーケストラで歌う」とは、三人の歌をN響団友オーケストラ16名が伴奏するという事。この団友は、NHK交響楽団のOBを意味している。

 還暦を過ぎ、ある意味あまり若くない歌姫達にとって、相応しい組み合わせと言えるかも知れない。と、言ったらお叱りを受けるだろうか。

 さて、いよいよ明日がコンサート当日。会場は埼玉県川口市にある川口総合文化センター「リリア」。一体如何なる事になるのやら。続きはいずれまた。

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「リリア」の外観(2020年1月撮影)

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