桜前線異常なし

 唐土を発した疫病が如何に猛威を振るおうと、時は流れ季節は廻り来る。枝木に萌える鮮やかな新緑、頬にそよぐ柔和な風、窓辺に咲いた薫衣草の香り。移ろい行く景色の彩りを、君は今誰と見ているのだろう。

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 なんちゃって。柄にもない書き出しで始めてみたが、それにしても春から初夏へと向かうこの清明という節気を、唯ジトーっと家に閉じ籠って過ごす事になるとは、一体誰が予想出来ただろうか。

 しかもこれだけ科学が進んだ現代で、ウイルス感染を抑える有効な手段が「外出を控える」だったとは、ある意味至極解り易く、そして何とも心もとない。それでも我々は皆、頑なにSTAY HOMEを守っているのである。

 ところで、かかる状況下、すっかり忘れ去られた感の桜前線だが、まだ日本列島を北上中だったのだ。

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 しかし主だった花見の名所は既に閉鎖され、これから満開を迎える地域の人達の心情は察するに余りある。  

 今年私は、たまたま「安行寒桜」なる早咲きの桜の存在を知った事から、早い時点で「桜をめぐる冒険」を開始する事が出来た。ただその時撮影した写真はハードディスクのクラッシュに因り殆ど失われたものの、幸いというべきかYoutubeに動画という別の形で現在も残っている。

 今回は行く春を惜しみながら、それらをもう一度振り返ってみようと思う。もし良ければ濃厚接触の心配は無いので、お付き合い願いたい。


令和二年 安行寒桜 / 風のかたみの日記

 


安行寒桜 川口元郷 / 風のかたみの日記

 


安行寒桜 北浅羽桜堤 / 風のかたみの日記

 


今日のソメイヨシノ/風のかたみの日記

 


桜の森の満開の下/風のかたみの日記

  

 あの時君はこう言った「山や海は逃げないし、花は来年も咲く」 確かにそうかも知れない。それならば何故、今君はここにいないのだろうか。

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      陽光桜(2020.3.18 川口グリーンセンター)