いつの頃からかストリングスのアレンジに興味を持つようになり、専ら主旋律にぶつからない心地良い裏メロ作りに生き甲斐を感じながら、いつかは洒落た弦楽曲を自分でも作りたいと考えていた。
しかし考えるのは勝手だが現実はそれ程甘くはない。私の音楽の知識と言えば義務教育で受けた授業と楽器演奏をする上で得たキャリア程度で、小編成のバンドスコア位はどうにかなるものの、クラシカルな分野までとは土台無理な相談なのである。
それでもJSバッハを始めとして有名どころの作品を聴き、各パートを耳コピ等して自分なりに分析、早速試してみる事にした。
目標は(クリスチャンではないが)教会のミサ曲のような、荘厳で格調高く心に響く楽曲。しかし勿論多くは望めない。取敢えず当時使用していた「VISION」なるシーケンスソフトと音源モジュール「ROLAND SC-88」であれこれ音を重ね、見様見真似「なんとなくそれっぽく」を目指して「なんちゃって弦楽」をデッチ上げたのである。
という事で今回は、時節柄、海外アーティスト達の無料配信に遅れじとその時作った曲のMIDIファイルを音声ファイルに変換、Youtubeにアップしてそれをご披露しようという趣向。
ところが、またしても新たな問題が発生した。MIDIを再生するソフト「CUBASE PRO 10」がプラグインの外部音源「SOUND CANVAS VA」を認識しないのである。仕方が無いのでプリインストールされている物を使ってみると、バランスが悪く、またアタックが弱い筈の「Slow Strings」の立ち上がりが思いっきり早い等、かなりイメージが変わってしまった。
「全く、人の悩みは生きている限り尽きないという事なのか」
まあ何やかや、いつものようにエクスキューズを並べてみたが、外付けHDのクラッシュを免れ、辛うじてicloudに残っていた写真が、拙い曲に文字通り花を添えてくれる事だけを期待して、自作「SERENADE FOR STRINGS(弦楽セレナーデ)」をひっそりと公開する次第である。
SERENADE FOR STRINGS / 風のかたみの日記